1997 Fiscal Year Annual Research Report
パルス磁場による活性化免疫細胞の機能増強に関する研究
Project/Area Number |
07458232
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
村林 俊 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30200306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 通明 北海道大学, 医学部, 講師 (20250425)
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Keywords | パルス磁場効果 / リンパ球活性化 / 対外免疫調節 / 周波数依存性 / ConA / PHA / LPS |
Research Abstract |
本研究は、パルス磁場(PMF)の免疫調節への応用を目指し、各種免疫活性剤により引き起こされる免疫細胞活性化過程に及ぼすPMF効果を調べ、その作用機構を明らかとすることを目的としている。平成9年度においては、対象細胞としてマウス脾臓リンパ球を、免疫活性化剤として、ConA,PHA,LPSを用い、周波数の変化が及ぼす影響を調べた。PMFは、ヘルムホルツコイルにより最大磁場強度2mTの矩形波(duty:50%)の磁場を発生させ、周波数を25〜100Hzとした。活性化の指標として、5′-Bromo-2′-deoxy-uridineを用いたELISA法により、DNA合成能を評価した。 これまでの研究で、リンパ球活性化に及ぼすPMF効果は、活性化過程の初化過程にPMFを照射した場合に、活性化の増強効果を示すことが明らかとなっている。そのため、照射時間を20分間とし、磁場周波数の影響を調べた。全ての活性化剤において、周波数25Hzの照射で最大の活性化増強効果が見られた。また、リンパ球の活性化が低い場合ほど、その増強効果が顕著であることが明らかとなった。その増強効果は周波数の増加と共に低下し、100Hzでは磁場非照射の場合より活性化が低下し、抑制効果を示した。実験では、個体差による影響が大きいため、一個体の細胞を用い周波数の影響を調べた。25Hzの照射を行ったあと周波数を増加させたため、100Hzの照射時とでは100分問の時間差が生じていた。そのため、細胞調製後の時間経過の影響を、25Hz照射においてを調べたところ、時間経過とともに活性化の増強効果は減少した。活性化剤を添加するのみで磁場非照射の場合には、細胞を調製した100分後に刺激を行っても、その活性化度は全く影響が見られなかった。なお、周波数100Hzの場合には、細胞調整直後の照射においても活性化増強効果は見られなかった。 PMFはその周波数によりリンパ球の活性化に及ぼす効果に差があることが明らかとなった。また、その効果は細胞の状態に顕著に影響されることも明らかとなった。
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