1995 Fiscal Year Annual Research Report
環境汚染物質に対するアレルギー反応性のヒトとマウスでの比較
Project/Area Number |
07458248
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
藤巻 秀和 国立環境研究所, 環境健康部, 室長 (00124355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
実吉 健策 東京慈恵会医科大学, 耳鼻咽喉科, 助手 (60246410)
白石 不二雄 国立環境研究所, 化学環境部, 主任研究員 (30113476)
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Keywords | 環境汚染物質 / 肥満細胞 / アレルギー |
Research Abstract |
本研究は、環境汚染物質とアレルギー疾患の増加との因果関係を明らかにするために、環境汚染物質のヒトとマウスのアレルギー反応に関与する細胞への影響を比較検討することを目的としたものである。平成7年度は、ヒスタミン、ロイコトリエン、インターロイキンなどの化学伝達物質を産生するマウス培養肥満細胞(BMMC)へのホルムアルデヒド、紫外線(UVB)の影響とヒト好塩基球の単離の方法について検討した。その結果、BMMCの細胞増殖への影響では、5μg/mlのホルムアルデヒドは増殖抑制を示したが、それ以下の濃度では抑制は見られなかった。細胞増殖に影響しない濃度である1μg/mlのホルムアルデヒドで24時間前処理したあとイオノフォアA23187とで活性化して産生されるインターロイキン4(IL-4)量を測定すると、有意な産生量の低下がみられた。0.25,0.5μg/mlのホルムアルデヒドでは影響がみられなかった。しかしながら、0.5μg/mlのホルムアルデヒドとA23187で3時間処理後のIL-4産生量を調べると、対照群に比べ有意な増強がみられた。また、BMMCから産生されるインターロイキン6(IL-6)についても0.5μg/mlのホルムアルデヒドで検討すると有意な増強がみられた。これらの結果から、低濃度ホルムアルデヒドによる肥満細胞活性化前の処理は活性化によるサイトカインの産生を抑えるが、活性化と同時期のホルムアルデヒド処理は、サイトカイン産生を増強させることが明らかとなった。UVB照射の影響について、BMMCへの70、140、280J/m^2照射直後の活性化によるIL-4産生を測定したところ、照射量に依存した有意な抑制がみられた。マウス肥満細胞と同様な働きをもつヒト好塩基球を用いての影響については検討中である。
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Research Products
(1 results)