1995 Fiscal Year Annual Research Report
肥満の長期減量効果を維持する因子-特に満腹液性因子と中枢機能の役割
Project/Area Number |
07459026
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
|
Research Institution | Nakamura Gakuen College |
Principal Investigator |
中村 元臣 中村学園大学, 大学院・栄養科学研究科, 教授 (60037322)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 志麿子 中村学園大学, 家政学部, 講師 (60192994)
増田 隆 中村学園大学, 家政学部, 講師 (60211562)
今井 克己 中村学園大学, 家政学部, 講師 (60203288)
伊藤 和枝 中村学園大学, 家政学部, 教授 (80104983)
|
Keywords | 肥満 / 中枢機能 / 満腹液性因子 / 食事療法 / 食事性産熱 / 運動生理学 / 代謝学 / 内科学 |
Research Abstract |
1995年度には、福岡市周辺の地域より肥満の是正を試みるクリニックへの応募者約200名の中から研究の目的に沿う46名を選び、それらについて以下の検討を行い次の様な成績を得た。 1.対象者の平均年齢は45歳、Body Mass Index(以下BMIと略す)の平均は30、インピーダンス法で測定した%Fatの平均は37%、収縮期血圧127mmHg、拡張期血圧74mmHgであった。 2.運動に伴う心拍数増加度と心電図記録から各個人の適正運動と考えられる目標心拍数を決定して歩行を中心に指導するとともに、3日間秤量法による食事調査を行って食事指導を個別に行った。3.5カ月後、体脂肪量と除脂肪量はそれぞれ有意に減少した。高血圧を有した者10名と、正常血圧の者29名を比較したところ、高血圧者においてのみ体重の減少に伴って収縮期血圧、拡張期血圧ともに有意に減少した。これに反し、正常血圧者では体重の減少に伴う有意の血圧低下は認められなかった。高血圧群の血清マグネシウム濃度は正常群のそれに比し有意に低値であった。 3.肥満と中枢機能との関係について、肥満者では程度の差はあれ、全体において体重の減少に伴って視床下部満腹中枢刺激因子のひとつと考えられている血中3-ヒドロキシ酪酸の濃度は明らかに上昇した。特にBMI 26以下の群でその上昇程度が著しかった。BMIと血中3-ヒドロキシ酪酸濃度との間に負の相関を認めたが、今後更に経過を追跡して検討する必要があると考えられる。時間認知能の異常は肥満の是正に伴ってそのバラツキと異常程度が改善傾向を示した。更に肥満者では食行動の異常が明らかに認められ、肥満の是正に伴って異常度が改善する傾向を示した。 4.食事性産熱は肥満の程度、甲状腺機能と無関係にバラツキが大であった。平均的食事性産熱とされる10%を越える群と、10%以下の群に2分される傾向が認められたので、今後それらの特徴を見出すことにより食事性産熱の意義と役割を明らかにしたい。 5.今後、200症例を目標に症例数を増加し追跡調査を続けることにより、多変量解析を行い、肥満の是正の維持に果たす独立因子とその役割を明らかにしたい。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Nakamura,M.et al: "Sudden sound-induced death in magnesium-deficient rats after repetitive episodes of seizure result from brain dysfunction" Magnesium Research. 8. 47-53 (1995)
-
[Publications] Nakamura M.et al: "AMPA-, but not NMDA-, receptor blocker, NBQX, prevents seizure induction in magnesium deficient rats" Magnesium Research. 8. 55-56 (1995)
-
[Publications] Nakamura M.et al: "Causal relationship between occlusive lesions of the coronary artery and myocardial fibrosis in arteriosclerotic rabbits" Atherosclerosis. (in press).