数値サーマルマネキンによる人体周辺の熱・空気移動解析と快適性の事前評価手法の開発

1995 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 07505006
• Research Category: Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (A)
• Research Institution: The University of Tokyo
• Principal Investigator: 村上 周三 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (40013180)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 出口 清孝 法政大学, 工学部・建築都市環境工学, 教授 (30172117) ; 大岡 龍三 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (90251470) ; 持田 灯 新潟工科大学, 建築都市環境工学, 助教授 (00183658) ; 加藤 信介 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (00142240) ; 堀越 哲美 名古屋工業大学, 社会開発工学, 教授 (80144210)
• Keywords: 数値サーマルマネキン / 人体発熱 / 気流 / 熱移動 / 熱快適性 / 数値シミュレーション / 実験

Research Abstract

研究は順調に進行している。本年度は下記の2項目について検討した。
1.低Re数型k-εモデルによる数値サーマルマネキン周辺の対流熱伝達解析
人体形状の数値サーマルマネキン周辺気流性状を低Re数型k-εモデルを用いて詳細解析し、人体モデル発熱体の対流熱伝達率や詳細な放熱特性を解明した。これにより、幾つの典型的な室内環境(静穏環境、一様水平気流、上向き一様気流、下向き一様気流)において、また各環境のパラメーター(吹出風速、吹出気流の乱れの強さ等)を変更した場合、それぞれマネキンまわりの温度場、流れ場を3次元的に解析し、人体からの対流熱伝達特性や、人体発熱が周りの流れ場、温度場に与える影響を検討した。解析結果を既往の実験と比較することにより、その精度を確認した上、各種環境における人体表面の対流熱伝達率の分布性状に関するデータベースを作成した。
2.数値サーマルマネキン解析グリッドと室内対流・放射場の解析グリッドの達成
数値サーマルマネキンを含む複雑形状の室内空間の放射・対流の連成シミュレーションを可能とする複合グリッドシステムを開発している。数値サーマルマネキンに適合したメッシュの室内解析メッシュへの組み込みは、流体シミュレーションで開発された解強制置換法を用いる。人体形状発熱モデルからの放射熱伝達シミュレーションは、モンテカルロ法により形態係数を求め、Gebhartの吸収係数法に基づく複雑形状閉鎖空間内シミュレーションにより実現した。

Research Products

• [Publications] 村上周三,加藤信介,曽潔: "数値サーマルマネキンに関する研究(その3) CFDによる呼気の汚染質温度解析" 生産研究. 48. 73-76 (1996)
• [Publications] 曽潔,加藤信介,村上周三: "対流・放射連成シミュレーションによる人体表面の顕熱伝達特性の解析" 第9回 数値流体力学シンポジウム講演論文集. 1. 439-440 (1995)
• [Publications] Shuzo Murakami, Shinsuke Kato, Jie Zeng: "DEVELOPMENT OF A COMPUTATIONAL THERMAL MANIKIN -CFD ANALYSIS OF THERMAL ENVIRONMENT AROUND HUMAN BODY-" Tsinghua-HVAC'95. 2. 349-354 (1995)
• [Publications] 曽潔,加藤信介,村上周三: "数値サーマルマネキンに関する研究(その5) 一様水平流に晒された人体表面の対流熱伝達特性に関するCFD解析" 空気調和・衛生工学会学術講演会講演論文集. 2. 673-676 (1995)
• [Publications] 村上周三,加藤信介,曽潔: "数値サーマルマネキンに関する研究(その6) 人体熱上昇流が呼吸位置濃度に与える影響に関する解析" 空気調和・衛生工学会学術講演会講演論文集. 2. 677-680 (1995)
• [Publications] 曽潔,加藤信介,村上周三: "数値サーマルマネキンに関する研究(その3) 鉛直一様流に晒された人体表面の対流熱伝達特性に関するCFD解析" 日本建築学会大会学術講演梗概集. 2. 591-592 (1995)