1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07505026
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
榎本 兵治 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80005412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守谷 武彦 東北電力(株), 応用技術研究所, 研究員
木下 睦 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70261592)
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Keywords | 湿式燃焼(湿式酸化) / 水熱反応 / 超臨界水 / 超臨界水酸化(SCWO) / ごみ処理 / 廃棄物処理 / 生ゴミ |
Research Abstract |
主として小型回分式反応装置を用いて反応温度,酸素濃度および反応時間を変化させて実験を行い反応速度との関連を調べた。 生ゴミ中に含まれる成分として動物性生ゴミでは肉・脂肪類,植物性生ゴミでは野菜・果物類を試料として実験を行い反応条件について検討した。反応温度を400℃以上に設定して行った実験では,試料中に含まれる有機物の大部分はごく短時間に分解し,その後は主たる反応中間生成物である酢酸などの低級カルボン酸の分解が主体となり,酸素供給量が有機物量に対して十分過剰な条件では,酢酸も反応温度420℃以上,反応時間10分間で99.9%以上分解し,温度が高くなるにつれて酸化分解の速度も高くなり,反応も急激に進行することを見いだした。 また,骨を含む魚類を試料として実験を行い牛脂を代表とする脂肪類と比較し,反応条件について検討した。反応温度を420℃以上に設定して行った実験では,試料中に含まれる有機物の大部分はごく短時間に分解し,その後は主たる反応中間生成物が酢酸であることは他の動物性生ゴミと変わらない。反応後の骨については構造こそもろくなっているが水には溶けておらず,原形をとどめている場合も見られた。 非食物性の生ゴミ成分に含まれるセルロース主体の紙や木材もほぼ同様に酸化分解が進行したことから,バイオマスについても酸素要求量,分解速度などについて食物性の生ゴミと同様に取り扱うことができると考えられる。 無機イオンの影響として必ず生体中に含まれる塩化ナトリウムについて調べた。塩化ナトリウムを添加した場合酸化反応は抑制される傾向にあるが,その影響は小さく,反応温度,酸素温度を調節することで制御できるレベルである。 反応メカニズムを検討するため,比較的分解速度の遅い牛脂の主成分である高級脂肪酸のステアリン酸をモデル化合物として用い塩浴中で急速昇温させて実験を行なった。ごく短時間の反応を行っってステアリン酸の酸化分解の中間生成物を分析した結果,高級脂肪酸のα,βおよびγ炭素はいずれも酸化反応の出発点になっており,ケトン,ケト酸を経て低級脂肪酸を生成し,酢酸及びギ酸が酸化されて最終的に二酸化炭素と水に分解している経路が推察された。
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Research Products
(2 results)