1996 Fiscal Year Annual Research Report
心身障害児教育に向けた高精度脳機能検査システムの開発
Project/Area Number |
07509001
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Section | 試験 |
Research Institution | National Institute of Special Needs Education |
Principal Investigator |
渥美 義賢 国立特殊教育総合研究所, 情緒障害教育研究部, 部長 (90143552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 悦治 日立製作所, 中央研究所, 主任研究員
小泉 英明 日立製作所, 中央研究所, 主任研究員
市川 宏伸 東京都精神医学総合研究所, 研究員
原 仁 国立特殊教育総合研究所, 病弱教育研究部, 部長 (40120034)
西 保國 国立特殊教育総合研究所, 総合企画調整官 (40290887)
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Keywords | 心身障害児 / 脳機能 / functional MRI / 近赤外分光法 / 脳波 |
Research Abstract |
本年度は、ダイナミック脳機能MRIに新たにRF信号発生装置を導入して、撮影画像の制度と安定性を向上させ、同時に、様々な精神活動時の脳機能を測定するため、視覚系および聴覚系を通した課題を与えられるような装置を導入・開発して実際に健康成人被験者に用いて試験し、改良を加えてきた。また、本年度から、血行動態モニタ装置を用いて日立製作所中央研究所で開発した近赤外線スペクトロスコピーによる脳内の血行動態の計測を併せて行い、fMRIや脳波所見と比較検討して脳の活性メカニズムを多面的に検証していくことを試行してきた。 脳機能の基礎的な状態変化である睡眠覚醒の記録を、上記の脳波、fMRI、近赤外線分光法によって計測してきたが、FMRIではEPIによる撮影時の音が115dbと高いことが主な原因となり、被験者が安定した深い睡眠に到らないことが多く、このため、音刺激装置と一体かした防音装置を開発してきたが、約35db耳における撮影音を下げることに成功した。この水準ではまだ不十分なので、アクティブ消音装置の併用に向けて開発を続けている。また、聴覚系を通しての課題遂行に関しても、撮影音が問題であることが明らかとなり、この防音機能と併せた音刺激装置を開発して試験を続けており、現在では実用に近づいてきており、様々な手段によって、合計で55db撮影音を低下させうる段階にきている。主として視覚系を通した高度脳機能賦活については、実用的な装置が完成し、「物を見ている状態」および「実際には視覚刺激がなく、物を見ようとしている状態」という2条件を中心に5例の健康成人被験者での記録を得て、その結果を解析中である。 本年度から新たに加えた脳機能測定技術である近赤外線分光法による、脳皮質の血液量、オキシヘモグロビン量、ディオキシヘモグロビン量の測定は、FMRIと平行して試行してきたが、測定が比較的簡便にできることもあり、6例の健康成人における睡眠覚醒記録と視覚刺激時の記録を行うことができた。得られたデータはまだばらつきが多いが、睡眠覚醒時には興味ある所見も得られたので、一部を学会で報告した。
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