1997 Fiscal Year Annual Research Report
心身障害児教育に向けた高精度脳機能検査システムの開発
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07509001
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Research Institution | The National Institute of Special Education |
Principal Investigator |
渥美 義賢 国立特殊教育総合研究所, 情緒障害教育研究部, 部長 (90143552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 悦治 日立製作所, 中央研究所, 主任研究員
小泉 英明 日立製作所, 中央研究所, 主管研究員
市川 宏伸 東京都精神医学総合研究所, 研究員
原 仁 国立特殊教育総合研究所, 病弱教育研究部, 部長 (40120034)
西 保國 国立特殊教育総合研究所, 総合企画調整官, 総合企画調整官 (40290887)
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Keywords | 障害児教育 / fMRI / NIRS / 脳波 / 脳機能 |
Research Abstract |
本年度はfMRIと脳波を同時記録して、脳機能検査において基本となる視覚領野と運動領野について試験的な計測を行って、それぞれ刺激による賦活を描出し、通常のMRIによる形態学的データと照合して賦活部位を詳細に同定した。この経過を通して、脳波とfMRIを同時記録するシステムの改良を行って、これについては特許申請を行うこととした。ただし、得られたfMRIのデータはS/N比が必ずしも十分でなく、なお改良の余地を残している。 近赤外分光計測法については、S/N比を向上させ、また、24チャンネルの同時記録が可能なシステムとあり、そのための、光プローブの頭部への固定装置や視覚刺激装置の改良を行って、高精度で賦活脳部位を分かり易い画像として描出することに成功した。これは、現時点では世界的にみても報告がなく、画期的な成果である。試験的には動画を見ている時の脳の活性化部位の計測も行ったが、1例のみであり、確実な結果といえるまでには至っていない。しかし、今後自然な条件で人間が視覚映像を認知する場合の脳機能を計測しうる可能性を示したもので、発展の余地の大きい計測手技を確立した。また、視覚刺激の全くない暗黒条件においても、開眼してものを見ようとすると、視覚領野が軽度賦活され、LEDのフリッカーやビデオ映像として賦課した同心円型のパターンリバーサルの視覚刺激によって、より強く視覚領野が賦活されることが分かった。 このような試験的計測を通して、これらの方法の有機的な組み合わせ方とその補助システムおよびそれらに合わせた視覚刺激装置、聴覚刺激装置を開発・改良し、これらが、障害児教育において有用な脳機能の検査として使用しうることを明らかにした。
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[Publications] Atsumi Y, et al.: "changes of regional blood volume in eyes opening test measured by NIRS" Neuro Image. 5. S169 (1997)
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[Publications] Atsumi Y, et al.: "Hemodynamic changes in human cerebval cortex during sleep measured by near-infrared spectroscopy" Neuro Image. 5. 108 (1997)
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[Publications] Atsumi Y, et al.: "Changes of regional cerebral blood volume by eyes opening and visual stimulation measured by near-infrared spectroscopy" Neuro Image. 5(in press).
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[Publications] 渥美義賢, 他: "近赤外分光法による睡眠時脳内血行動態の計測" 臨床脳波. (印刷中).