1996 Fiscal Year Annual Research Report
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07554020
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Section | 試験 |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
橋本 明彦 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30261275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 勉 株式会社タナカ, 技術部, 次長(研究職)
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Keywords | 暗黒星雲 / 星間微粒子 / 化学進化 / 始原惑星物質 / 太陽系 / 蒸発 / 四重極質量分析計 / 超高真空 |
Research Abstract |
暗黒星雲には、ケイ酸塩鉱物およびそのまわりをマントル状に取り囲む有機物に富む氷からなる微粒子が存在する。これが紫外線や宇宙線、または衝突・光放射などの高エネルギー源にさらされると、熱変性・蒸発・化学・同位体的分別などにより、その性質を変化させる。また同時に生ずる分子は星雲の新しい構成要素となる。これらは太陽系をつくる源物質となったと思われるが、実際高エネルギーの種類と強度によって様々の物質状態をとりえたと予想される。現在の惑星・隕石物質の起源はまさにこの状態を知ることに帰着する。そこでは我々はエネルギーの種類と強度を変化させて、星間微粒子から生成する分子の変遷を時間的にモニターするシステムの開発を行った。 本年度は、当初の研究実施計画に従って、以下の研究実績を上げることができた。 (1)ターボ分子ポンプ3基、主真空チャンバー、差動排気チャンバーなどから構成される超高真空排気装置の組立てを終了し、10^<-10>Torrレベルの当初目的とした超高真空を得ることができた。 (2)高エネルギー熱源の製作、および生成した分子をガイドするスリット系の製作を終了し、星間粒子状の固体惑星物質から安定した分子ビームを形成することが可能になった。 (3)設備備品費で購入した四重極型高分解能質量分析計の、上記超高真空排気装置への取り付け・調整を行い、分解能と検出感度の試験を実施した。その結果、当初に予測した通りの性能を発揮していることが判明した。これにより、生成分子の変遷を時間的にモニターするシステムのハードウェア部分の開発ははぼ終了した。 四重極質量分析計と接続するコンピュータソフトウェアーを継続して開発中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Davis, A. M.: "Isotopic and Chemical fractionation during evaporation of CaTiO_3." Lunar and Planetary Science. XXV1. 317-318 (1995)
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[Publications] Arakawa, M.: "Ejection velocity of ice impact fragments." Icarus. 118. 341-354 (1995)
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[Publications] Kouchi, A.: "Cosmoglaciology : evolution of ice in interstellar space." Prog. Cryst. Growth Charact. Mater.30. 83-108 (1995)
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[Publications] Wang, J.: "Evaporation of single crystal forsterite." Geochim. Cosmochim. Acta. in press. (1997)
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[Publications] Hashimoto, A: "The Second Symposium on the Origin of the Moon" 文部省宇宙科学研究所, 1-81 (1996)
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[Publications] Yamamoto, T.: "Origin and Evolutior of Cometary Ice" Kluwer Academic Press (in press), (1997)