1995 Fiscal Year Annual Research Report
細胞構造解析用高性能紫外顕微ラマン分光システムの試作
Project/Area Number |
07554025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
竹内 英夫 東北大学, 薬学部, 教授 (30111454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
外山 聡 東北大学, 薬学部, 助手 (60217560)
橋本 慎二 東北大学, 薬学部, 助手 (50192696)
三浦 隆史 東北大学, 薬学部, 講師 (30222318)
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Keywords | 顕微鏡 / 紫外共鳴ラマン分光 / 細胞構造 / 蛋白質 / 核酸 |
Research Abstract |
生物細胞内に存在する生体分子の構造を、あるがままの状態で解析するための高性能紫外顕微ラマン分光装置を試作する目的で、本年度はまず、紫外顕微光学系の基本設計および第一段階の試作品の作製を行った。基本設計にあたっては、空間分解能の向上および紫外光照射に伴う試料損傷の低減に重点を置き、種々の技術的検討を行った結果、共焦点光学系、透過型対物レンズおよび連続発振紫外レーザーの採用が、高性能紫外顕微ラマン分光装置作製には最も重要であるとの結論に達した。また、購入した連続発振紫外レーザーの性能評価を行ったところ、初期の想定通り、顕微ラマン分光に適したビーム性能を有することが確認された。この紫外レーザーと基本設計に基づいて試作した紫外顕微鏡部を現有の紫外ラマン分光装置に組み込み、紫外顕微ラマン測定を行ったところ、試料設置法ならびに顕微鏡部と分光器部の連結方法などに、いくつかの不具合があることが判明した。比較的初期の段階でこのような問題点を特定することができたことも、本年度の成果の一つである。これらの問題点はいずれも技術的には克服可能であり、現在鋭意改良中である。平成8年度には、試作品の改良版を作製し、より高性能な紫外顕微ラマン分光装置の開発を目指す。また、蛋白質、核酸、蛋白質・核酸複合体や正常細胞、癌細胞などの細胞内小器官の構造解析に、試作した紫外顕微ラマン測定装置を応用し、細胞構造解析のための新規実験装置としての確立を目指す予定である。
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