1995 Fiscal Year Annual Research Report
微小蛋白質結晶のX線回折データ測定のための全自動高輝度光学系調整システム
Project/Area Number |
07554059
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山根 隆 名古屋大学, 工学部, 助教授 (80030055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 忠二 (株)マックサイエス, 技術開発本部, 研究員
白井 剛 名古屋大学, 工学部, 助手 (00262890)
鈴木 淳巨 名古屋大学, 工学部, 助手 (40196788)
芦田 玉一 名古屋大学, 工学部, 教授 (10029936)
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Keywords | 蛋白質結晶構造解析 / 微小蛋白質結晶 / ミラーミラー集光 光学系 / 高輝度X線 / 自動調整光学系 |
Research Abstract |
蛋白質のX線結晶構造解析の最大のネックは目的蛋白質の結晶化であるが、比較的得易い0.2x0.2x0.1mm程度の小結晶では、通常の実験室系での良質のデータ収集は困難である。従って、小結晶のデータ測定にはX線源の単位面積当りの強度(輝度)を強めるのことが必要となる。輝度を高めるために調整箇所をコンピュータ制御した全自動ミラーミラー光学系調整システムの作製を行なった。当初の目的は、X線の輝度は従来より4-5倍高まるはずであるが、現状では3倍弱であり、改良すべき点を検討中である。また、現在の装置は調節の自動化が目標通りとは言えない点もあり、今後も改良を行なう予定である。 作製した全自動ミラーミラー光学系調整システムのチェックのために、ピ-ナッツのプロテアーゼインヒビターA-IIとトリプシンの1:2複合体の結晶データを測定し、構造解析を行なった。複合体の結晶学データは、空間群P2_12_12_1、a=55.47,b=55.95,c=182.1Aとc軸が非常に長いしかしながら、集光システムのため、従来のシステムと異なり回折反射の分離が改良され、データ収集の質が向上した。この結晶は反射能が弱くRmergeが0.10以下のデータを得ることは今までできなかった。結晶のサイズは0.2x0.2x0.25mmと当初目標より2倍程度大きいが、2.5A分解能までの18,991反射を測定し、データの質の目安であるRmergeは0.087と目標である0.10を切っている。構造の精密化の結果、現段階の結晶学R値は0.203であり、良好なX線回折データが収集されたことが確認できた。今後は、より微小な結晶を用いての回折データのチェックを進めて行く。
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