1997 Fiscal Year Annual Research Report
パルスレーザー蒸発による厚い長寿命炭素膜の開発と加速器への応用
Project/Area Number |
07554074
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
菅井 勲 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助手 (80150291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 一郎 東京大学, 大学院・理学系原子核科学研究センター, 教授 (30028237)
野村 亨 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (60087393)
川上 宏金 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (50013412)
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Keywords | パルスレーザー / フォイル / 炭素膜 / 荷電変換 / 重イオン / 加速器 |
Research Abstract |
本パルスレーザー装置の480mJ/パルスのパワーを用いて、レーザービーム方向に対して45°方向、経6mmφのレーザースポットで炭素母材をレーザーAblationすると蒸発速度が極めて小さく〜100μg/cm^2の膜厚を得るのに24時間かかる。より早い蒸発速度を得るため、焦点距離30cmの集光レンズをレーザービーム導入用の真空チェンバー窓の前にセットした。これにより、10^<-6>Torrの真空度で100μg/cm^2の膜厚を得るのに前の1/6に短縮され、実験はスムーズに進めることができるようになった。 レーザープラズマAblationによる炭素膜は強い熱歪みをもち、大気に取り出すとファイバー状に細かいクラックが発生する。更に、蒸着ガラス基板を蒸留水に浸し剥離すると、一瞬に巻き付きフラットなフォイル状として使えない。このため、蒸着中は基板を500Wハロゲンランプで〜200℃に加熱した。100μg/cm^2の蒸着基板は、真空中、〜400℃で4時間アニールした。この処理法によってクラックとフォイルの巻き付き現象は克服できた。 本方法による蒸着膜の膜厚分布をα線厚み計で測定した。この結果、スパッターリング法と似た強い余弦法則を示した。 レーザープラズマAblation法で作成した100〜200μg/cm^2の厚いフォイルを、東工大(理)のバンデクラ-フ加速器を用いて3.2MeV、1〜3μA、ビームスポット3.5mmφのネオンビームでLifetimeを測定した。その結果、80mC/cm^2のLifetimeを示した。この値は市販の熱蒸着膜に比較して〜6倍に相当する。今後、レーザープラズマAblation法の特徴を見出すため、系統的な実験を進めて行く予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 菅井勲: "Carbon stripper foil perparation by ion beam Sputfering with 3.5KeV Kr ions" Nuclear Instruments and Methods in Physics Research. A397. 137-139 (1997)
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[Publications] 菅井勲: "An application of a new type deposition method to nuclear target preparation" Nuclear Instruments and Methods in Physics Research. A397. 81-90 (1997)
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[Publications] 菅井勲: "A New and Versatile Coating Method of Partides at Room Temperatue" Jpn.J.Appl.Phys.37. 257-260 (1998)