1995 Fiscal Year Annual Research Report
気球搭載型のレーザパーティクルカウンターの開発:成層圏エアロゾルの濃度および形状観測用
Project/Area Number |
07554078
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岩坂 泰信 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (20022709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 和雄 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (80252295)
林 政彦 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (50228590)
松永 捷司 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (60022729)
柴田 隆 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (70167443)
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Keywords | レーザパーティクルカウンター / 気球観測 / 成層圏エアロゾル |
Research Abstract |
成層圏での大気化学反応に粒子状物質(エアロゾル)の表面反応(不均一反応)が大きな寄与をなしていることが近年大きな注目を浴びている。南極成層圏独特のエアロゾル(極成層圏雲と呼ばれている)は、オゾンホール形成に大きな役割をはたしているし、地球の成層圏に広く分布している硫酸エアロゾルも、オゾン消失に大きな関わりを持っているのではないかとの見解が出されている。しかし、これらのプロセスはほとんど解っておらずエアロゾル表面での化学反応におおきな関心が寄せられるようになってきた。 結晶状態であるエアロゾルと液体状態であるものでは表面反応の機構が著しく異なるために、エアロゾルの大きさや濃度とともに液体か固体かを判定する情報を得ることはきわめて重要である。 本年度は、現有技術の整理を行い、成層圏エアロゾル観測に必要な条件を洗い出し、気球搭載可能なシステムにするために計測器の単純化、小型化、省エネルギー化をはかった試作品を制作した。この試作品は、エアロゾルの個数密度をサイズ別に計測するための光源を半導体レーザを使用するなど、全体をソリッドステイト化して振動などにも強い構造となっている。本機は、1995年の12月から1996年1月にかけてノルウェーで行なわれた北極圏オゾンの観測に使用され、ライダーと比較観測を行なうとともにその総合的な性能について検討した。検討の結果、重量、性能、空域取り入れ機構、電源、操作性、等について当初目標を達するレヴェルにあると判定された。 次年度は、これにさらに散乱による偏光状態の変化を検知する機構を付加する計画である。 ノルウェーで行なわれた試験観測に関する成果は現在取りまとめ中である。本観測に先立って行なわれた試験的な観測研究の成果は、逐次公表中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Iwasaka: "Lidar Measurements at Alaska-Pinatubo Volcanic Effect on Stratospheric Aerosol Layer-" Laser Rev.23. 166-170 (1995)
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[Publications] D.Zhang: "Tests for Individual Sulfate- Containing Particles in Urban Atmosphere in Beijing" Adv.Atmosph.Sci.12. 343-350 (1995)
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[Publications] Y.Iwasaka: "Polar Vortex Meandering and Stratospheric Aerosol Distribution:Lidar Measurements at Alaska" J.Geomag.Geoeletr.(印刷中).
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[Publications] Y.Iwasaka: "Size Distribution of Aerosol Particles in the Free Troposphere:Aircraft Measurements in the Spring of 1991-1994 over Japan" Terr.Atmosph.Ocean.Sci.(印刷中).