1997 Fiscal Year Annual Research Report
重合反応・触媒反応・結晶成長の理論的制御のためのElongationプログラム
Project/Area Number |
07554087
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
今村 詮 広島大学, 理学部, 教授 (70076991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 雄次 中国化薬株式会社, 開発部, 研究員
青木 百合子 広島大学, 理学部, 助教授 (10211690)
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Keywords | 重合反応 / 触媒反応 / 結晶成長 / 理論的制御 / 分子軌道法 / 構造最適化 / Elongation法 / 有限基底軌道近似 |
Research Abstract |
Elongation法では、高分子鎖を伸長するにつれて、つぎつぎと非成長未満の方に、Frozenした局在化軌道、すなわち、Non Active局在化軌道が得られる。このNon-Active局在化軌道は、高分子鎖の伸長に対して影響をうけないので、電子状態を求める固有値問題の基底には含めないのである。一方、固有値問題に含めるActive局在化軌道は、伸長端に局在化しているので、その数はほぼ一定であるため、高分子鎖がいくら伸長しても解くべき固有値問題の次元数はほぼ一定になる。すなわち、高分子鎖がいくら長くなっても、その電子状態を求めるための固有値問題を解く時間は、高分子鎖Nの一乗に比例するという、Elongation法の大きい特色の原因になっている。 しかしながら、このActive局在化軌道を含む高分子鎖上の分子軌道に含まれる原子軌道の数は、高分子鎖が長くなるにつれて、当然長くなってくる。したがって、この軌道を基底とした行列要素を求めるための時間と、コアメモリーは高分子鎖長Nの二乗に比例するようになる。この欠点を克服するために、このActive局在化軌道を含む分子軌道上で、電子密度分布がある閾値以下のところはCutするいわゆる有限基底軌道近似の導入を(MOPACプログラムパッケージの枠内で)試みた。 その結果この近似によって得られる電子密度、全エネルギーは、基底を全くCutしないElongation法による結果とよく一致し、また計算時間も高分子鎖長Nの一乗に比例し、通常の分子軌道法に比して計算時間の間で、またメモリーサイズの面で圧倒的に有利であることがわかった。この近似の導入により現在大体3000原子程度の系の取り扱いが可能になっており、いよいよタンパク質が射程距離に入ってきたといえる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Youji Kurihara: "Calculations of the excitation energies of all-trans and 11,12s-dicis retinals using localized molecular orbitals obtained" J.Chem.Phys.107・9. 3569-3575 (1997)
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[Publications] Akira Imamura: "An elongation method to calculate the electronic structure of non-periodical and periodical polymers" Advances in Colloid and Interface Science. 71-72. 147-164 (1997)
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[Publications] Masaki Mitani: "Geometry Optimization of Polymers by the Elongation Method" International Journal of Quantum Chemistry. 64・3. 301-323 (1997)
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[Publications] Yuriko Aoki: "Molecular Orbital Approach to the Peierls Instability in Polyenes and Its Application to Model Crystals of Charge- Transfer Complexes" international Journal of Quantum Chemistry. 64・3. 325-336 (1997)
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[Publications] Akira Imamura: "Model calculations of the intrinsic reaction coordinate for the ion permeation of sodium channels" Progress in Cell Research. 6. 253-259 (1997)
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[Publications] Kazuyoshi Ueda: "Ionic Polarization of Carrageenans with Different Charge Densities as Studied by Electric Birefringence Measurements" The Journal of Physical Chemistry. 101・19. 3653-3664 (1997)