1996 Fiscal Year Annual Research Report
イオン照射による薄膜用基板の表面制御-結晶性薄膜作製の低温プロセス化-
Project/Area Number |
07555040
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山内 和人 大阪大学, 工学部, 助教授 (10174575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 泰久 大阪大学, 工学部, 助手 (40252598)
山村 和也 大阪大学, 工学部, 助手 (60240074)
森 勇藏 大阪大学, 工学部, 教授 (00029125)
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Keywords | イオン照射 / シリコン薄膜 / 低温成膜 / 基板改質 / 多結晶 / 液体金属イオン源 |
Research Abstract |
本研究は、これまでに得られた基礎データをもとにイオン照射による基板改質を施すことで、太陽電池やTFT(Thin Film Transistro)に用いられる高品質の結晶性Si薄膜を低温プロセス下において作製することを目的とする。従来結晶性のSi薄膜を作製するには高温プロセスである再結晶化を必要とし、その基板材料としては高温特性に優れる高価な石英ガラスを使わざるを得ず、製品コストの上昇をもたらしている。よって、本手法により成膜プロセスの低温化が実現できれば、安価な基板材料の適用が可能となり、一般的に普及させる上での効果は計り知れない。 昨年度我々は、ホウケイ酸ガラス基板上に種々の条件でシリコンイオンの照射を行ったが、照射条件を選べば基板温度が温室であっても基板上に結晶性の核が形成できることを見出した。本年度は、このようにして結晶性の核を形成したホウケイ酸のガラス基板に、さらにシリコンを電子ビーム蒸着することで、低温で多結晶シリコンの成膜が出来ないかを検討した。その結果、核付けを行わない基板では一般に800℃程度の基板温度が必要であるが、核付けの改質を行ったホウケイ酸ガラス基板を用いれば、260℃という低温で多結晶シリコンの成膜が可能であることが分かった。これは、結晶性の核を形成するために必要なエネルギーが、その結晶性の核を起点とした結晶成長のためのエネルギーよりも大きいことを示しており、前者にイオンの運動エネルギーを有効に用いることで、プロセスの低温化を達成することができたものである。
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