1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07555050
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 孝久 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (60152716)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 健司 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (50251351)
福田 勝己 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20134471)
蓮池 彰 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20010861)
|
Keywords | AFM / ナノインデンター |
Research Abstract |
ナノインデンテーションの計測がますます重要になってきているが,サブミクロンオーダーのビッカース痕を光学顕微鏡で計測することは不可能であるため,AFM(原子間力顕微鏡)による計測が有力な手段である.このため,ナノインデンターによる圧痕形成からAFMによる計測を有機的に結合させ,ナノインデンテーション計測を容易に行えるようにするのが本研究の目的である.本年度はまずAFMの選定を行った.高精度なだけでなくデータ処理のためハイパフォーマンスのワークステーションを備えたものを選定した. 続いて,シリコン単結晶の硬さを動的硬さ計を使って計測した.そして,押し付け荷重が1gf以下になると測定が非常に困難になり,測定結果にばらつきが大きくなった.この原因は材料の弾性変形が塑性変形に比べて大きな割合を占めることになり,その結果,塑性変形から計算される硬さの計測が困難になることがわかった.また,空気のゆらぎ,機器の微小振動,湿度などの環境条件,および負荷速度,荷重保持時間などの負荷条件も硬さ測定値に大きな影響をおよぼすことがわかった.さらに,負荷および除荷過程がヒステリシスをえがくこと,このため最大押し込み量と最終押し込み量は差があり,ナノインデンテーションによる硬さの計算には一体どちらの値を使ったら良いのか,今後の問題として残されている.なお,圧痕をAFMによって測定したところ,くぼみがゆがんでいたり,圧子が垂直に押し付けられていなかったりしていることが頻繁に観測され,AFMによるくぼみ形状計測の必要性を確認した.
|