1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07555081
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
羽根 一博 東北大学, 工学部, 教授 (50164893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 ひとみ 東北大学, 工学部, 助手
別所 芳則 ブラザー工業株式会社, 研究開発センター, 専門課長代理
大熊 繁 名古屋大学, 工学部, 教授 (40111827)
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Keywords | 原子間力顕微鏡(AFM) / 超高密度メモリー / ナノメートル加工 / 原子分子加工 / 原子分子操作 / ディスクメモリー / 分極反転 |
Research Abstract |
平成7年度は計画に従い,原子間力顕微鏡の開発と改良を行った.信号処理回路の設計,製作を行い,計算機のインターフェイスを製作した.原子間力顕微鏡のプローブに静電気力により衝撃力を印加する装置を製作した.インジウムを試料として,提案する第1の方法により微小ピットの書き込み実験を行った.パルス静電気力により衝撃力を発生し,微小ピットを高速に発生することができた.ピットの大きさは数nm径でプローブ先端の形状を示した.従来はステージの上昇によりピットを発生させていたが,発生力が小さく,応答速度も小さい.発生力を大きくするためにはステージの移動量を大きくする必要があるが、プローブ先端のズレが発生し,ピットが細長く変形する.本研究で提案する方法においては,これまでにない強い衝撃力が得られることが明らかになった.また,プローブのたわみが少ないのでピットの変形も最小にできることが示された.これらの結果は米国論文誌に投稿した. 本年度の研究目的は装置の開発と提案する第1の方法に関する実験が主な課題である.本年度の目的の大部分を達成できたと考えられる.静電引力を利用した衝撃加圧の手法は構造が簡単であるにもかかわらず,高いピット発生能力を持っている.プローブの移動量は小さいので,機械的な表面加工でありながら高速応答が得られる.メモリーの開発においては速度が最も重要な課題の一つであるので本手法の開発により書き込み速度の改善が期待できる.研究の遂行上に生じた学術上の問題は表面摩擦である.ナノメートル領域の動摩擦が提案する手法の達成に重要な作用を及ぼしていることが明かとなった.これまで,この領域での動摩擦の測定は報告されていない.本研究の手法を応用することで動摩擦を測定できることが明かとなり,基礎研究的側面においても新しい知見が得られた.
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[Publications] T. Abe, K. Hane, S. Okuma: "Pit and Mound Formation on Arc-Evapolated Carbon Thin Film Using Scanning Tunneling Microscopy" Jpn. J. Appl. Phys.(発表予定). (1996)
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[Publications] Kazuya Goto, Kazuhiro Hane: "Micro-machining with a force microscope tip assisted by electrostatic force" Rev. Sci. Instrum.67. 397-400 (1996)