1996 Fiscal Year Annual Research Report
建築構造物応答の広域観測技術の確立と設計用地震動評価への適用
Project/Area Number |
07555177
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Section | 試験 |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤原 悌三 京都大学, 防災研究所, 教授 (10026031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 隆二 日本建築総合試験所, 主任研究員
日下部 馨 神戸大学, 工学部, 教授 (80027250)
大場 新太郎 大阪工業大学, 工学部, 教授 (50079521)
北原 昭男 京都大学, 防災研究所, 助手 (00195273)
鈴木 祥之 京都大学, 防災研究所, 助教授 (50027281)
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Keywords | 地震応答 / 観測技術 / 設計用地震動 / 推定 / 同定 / ネットワーク / 地震動 |
Research Abstract |
本研究は、京阪神に建つ構造物の地震応答の同時観測システムを構築し、地形・地盤・構造形式など異なった条件下での入力データ・応答データをオンラインで収集することにより、地震動の時間的・空間的分布を把握するとともに、各地形・地盤における構造物の地震応答特性を明らかにして,京阪神における構造設計用の地震動を策定する手法を導くことを意図している。 本年度は、京都市内に設置された建物応答観測点10点の地震観測を行い、ホストコンピュータのある防災研究所にISDN回線を介して転送する広域観測システムの精度向上を図るとともに、微震動から震度3までの観測記録を得た。京都市内に震源のある地震の震源メカニズムをこのネットワークを用いて精度良く決定できることを示した。また、宇治構内にある実大試験架構の制御実験と地震観測の情報をホストコンピュータに取り込み、解析することにより、制御則の妥当性を検証する研究を推進した。 神戸市域の地震観測網を充実させるため加速度計を購入設置し、兵庫県南部地震の余震観測、微動測定を実施して、建物の固有振動数と減衰性は応答の大きさに依存することを指摘した。 今後、観測ネットワークをさらに広域に拡張し、大学間、学官民がデータを即時に共有できるシステムを構築し、京阪神の異なる地盤、異なる建物の地震応答結果を集積し、応答に及ぼす地震動の性質、表層地盤の動特性などを、同一の地震を対象に、明らかにする。さらに、地震時の応答を理論的に推定する方法、モデル化の方法について検討し、地震入力の地域性と応答保障設計、信頼度設計の手法についての研究とともに、設計用地震動の策定のための基礎的研究を推進する。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 藤原悌三: "阪神・淡路大震災-防災研究への取り組み-地震動の強さと建物の耐震力" 京都大学防災研究所年報. 第39号. 67-81 (1996)
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[Publications] 〓 起煥: "建築構造物の確率論的パラメータ同定および地震応答推定" 京都大学防災研究所年報. 第39号. 37-50 (1996)
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[Publications] 前田幸典: "高層建築物における常時微動と兵庫県南部地震の余震の観測" 日本建築学会近畿支部研究報告集. 第36号. 57-60 (1996)
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[Publications] 長 郁夫: "京都市広域地震応答観測ネットワーク -1995年7月18日に京都市内で起きた地震(Mm3.6)の解析例-" 地震学会秋期講演会梗概集. 2. B45 (1996)
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[Publications] 川合 充: "兵庫県南部地震の被害地域における微動特性" 日本建築学会近畿支部研究報告集. 第36号. 21-24 (1996)
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[Publications] Inoue,R.: "A Detailed Survey on the Damage of buildings during the Hyogeken-nanbu(Kobe) Earthquake with References to Aftershock Data and Geology" Proc.of the 11th World Conference of Earthquake Engineering. 1253-1254 (1996)