1995 Fiscal Year Annual Research Report
大規模空間を有する建築物の温熱環境・火災安全に関する研究
Project/Area Number |
07555181
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
辻本 誠 名古屋大学, 工学部, 教授 (90115600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山羽 基 中部大学, 工学部, 助教授 (10220435)
江本 哲也 市邨学園短期大学, 生活文化学科, 講師 (90269663)
奥宮 正哉 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 助教授 (30160815)
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Keywords | 煙流動 / アトリウム / 模型実験 / 相似則 / 煙層温度分布 / 壁面境界条件 |
Research Abstract |
アトリウムやガレリアなど大規模な吹き抜け空間は、火災発生時には巨大な竪穴となり、延焼、有毒煙伝播の促進など、火災安全上の危険が生じるおそれがある。このうち火災煙制御に関しては、アトリウムの火災事例が数少なく、種々のシミュレーション手法に頼らざるをえない。現在一般的に用いられているゾーンモデルは安定な煙成層が形成されていることを前提にしているため外気風の影響を十分に加味できない。ところが外気風が排煙に与える影響が無視できないことは既存建築物を用いた火災実験でも指摘されている。本年度の研究は、相似縮小模型を用いた実験シミュレーションでアトリウムの排煙性能に対する外気風の影響について検討し、防災設計上重要な知見を得ることを目的として行われた。その結果、単純な構成のアトリウム空間の縮小模型を用いた実験では、無風時に十分な排煙が行われる開口条件においては、風速の上昇につれ室内温度も上昇し、一方無風時に排煙されにくい開口条件においては、逆に外気風の上昇につれ室内温度は低下した。さらに他の開口条件においては、ある風速を境にそれまで室内温度が上昇していたものが低下しはじめるなど様々な影響がみられた。また、スケールの異なる2つの相似縮小模型を比較してみると、スケールの大きい模型の方が若干室内温度が高かったが、その分布形状及び時間変化ともに定性的には非常に相関が高く、可視化観察でも煙流動性状は相似であることが確認され、外気風影響下においても我々の手法によって、火災時の煙流動を概ね再現できることを示した。
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Research Products
(1 results)