1995 Fiscal Year Annual Research Report
耐熱性酵素の利用によるC-C結合形成反応の新しい触媒の開発
Project/Area Number |
07555252
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
古山 種俊 東北大学, 工学部, 助教授 (20089808)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 あゆみ トヨタ自動車(株), 第1FP部, 研究員
小倉 協三 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (80006303)
西野 徳三 東北大学, 工学部, 教授 (90005827)
|
Keywords | ファルネシル二リン酸 / プレニルトランスフェラーゼ / イソプレノイド生合成 / 合成酵素 / プレニル二リン酸 / ポリプレノール / 人口基質ホモログ / 耐熱性酵素 |
Research Abstract |
本研究は生理活性物質の不斉合成に有効である「プレニルトランスフェラーゼ」をより高度な触媒機能を有するC-C結合形成反応の新しい触媒として利用するめに、耐熱性プレニルトランスフェラーゼの遺伝子に対し、遺伝子工学的技術を駆使して各種の変異体酵素を経て,野性型酵素では不可能なC-C結合形成反応を触媒する新規な酵素の創製を目的として開始され,以下のような成果を得た。 1.中等度好熱性細菌Bacillus stearothermophilusのファルネシル二リン酸(C_<15>-PP)合成酵素遺伝子の改変 (1)部位特異的変異の導入により、(a)アリル性基質とホモアリル性基質(IPP)の結合部位として重要なアミノ酸残基を特定した。(b)触媒反応に直接関与している部位を見出した。(c)野性型酵素より触媒効率を高い変異体酵素を得た。(2)大腸菌由来のFPP合成酵素とのキメラ体を作製し、酵素の耐熱化に重要な部位を見出した。(3)C末端部の欠失体を各種作製し、(a)保存性の高い塩基性アミノ酸はIPPの結合に重要であること(b)、その上流の疎水性領域は酵素の安定性の維持に寄与していることを明らかにした。(4)ランダム変異の導入により、C_<15>までのイソプレン鎖延長反応の触媒機能をC_<20>までの鎖延長反応ができるように改変した。 2.他のプレニルトランスフェラーゼの遺伝子のクローニングと大量発現系の構築 (1)B.slearothermophilusのヘプタプレニル二リン酸(C_<35>-PP)合成酵素遺伝子をクローン化し、塩基配列を解析して、大腸菌での大量発現系を構築したが、2つのヘテロサブユニットを別々に発現させた場合は再構成することができなかった。(2)Micrococcus luteus B-P 26のヘキサプレニル二リン酸(C_<30>-PP)合成酵素遺伝子をクローン化し、塩基配列を解析して、この酵素もやはり2つのヘテロサブユニット構造であることを明らかにした。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] Koyama, Tanetoshi: "Significance of Phe-220 and Gln-221 in the Catalytic Mechanism of Farnesyl Diphosphate Synthase of Bacillus stearothermophilus" Biochem. Biophys. Res. Commum.212. 681-686 (1995)
-
[Publications] Koike-Takeshita, Ayumi: "Molecular Cloning and Nucleotide Sequences of the Genes for Two Essential Proteins Constituting a Novel Enzyme System for Heptaprenyl Diphosphate Synthesis" J.Biol. Chem.270. 18396-18400 (1995)
-
[Publications] Maki, Yuji: "Substrate Specificity of Famesyl Diphosphate Synthase from Bacillus stearothermophilus" Bioorg. Med. Chem.Ltt.5. 1605-1608 (1995)
-
[Publications] Inoue, Hitoshi: "Properties of Famesol Phosphokinase of Botryococcus braunii" Phytochemistry. 40. 377-381 (1995)
-
[Publications] Ohnuma, Shin-ichi: "Conversion from Famesyl Diphosphate Synthase to Geranylgeranyl Diphosphate Synthase by Random Chemical Mutagenesis." J. Biol. Chem.(in press). 271 (1996)
-
[Publications] 小倉,協三: "新しい酵素研究法6:イソプレノイド生合成酵素の分子機構" 東京化学同人(株), 13 (1995)
-
[Publications] 古山,種俊: "新タンパク質応用工学 バイオサイエンスへの有機化学の寄与" フジテクノシステムズ(株), 11 (1996)