1996 Fiscal Year Annual Research Report
高温性ラン藻の炭酸固定能の強化と炭酸ガスの有機資源化への利用
Project/Area Number |
07555254
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
五十嵐 泰夫 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90114363)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉木 博 電力中央研究所, バイオテクノロジー特別研究室, 室長
石井 正治 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (30193262)
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Keywords | ラン藻 / 炭酸同定 / フィコシアニン / 炭酸ガス |
Research Abstract |
まず、前年度において確立された高濃度培養において、固定された炭酸ガスが菌体内でどの様な成分になっているのかを知ることを目的として実験を行った。得られた菌体を用いて、蛋白質・糖・脂質の各成分を分析した。蛋白質はアルカリ処理の後Lowry法により、糖はフェノール硫酸法により、脂質は凍結乾燥菌体からクロロホルムで抽出される成分量により定量した。その結果、蛋白質・糖・脂質は凍結乾燥菌体成分中それぞれ49%、37%、12%を占めていることが明らかとなった。 上記研究遂行の途上、凍結乾燥菌体を緩衝液に懸濁した後、再び遠心分離に供し菌体だけを回収しようとした。その際、得られた遠心上清が濃青色を呈していたため、この成分に関してさらに詳細に分析した。本遠心上清の可視吸光スペクトル特性からフィコシアニンの存在が推定された。そこで、この遠心上清をFPLCシステムを用いたSuperose-6次いでMono-Qカラムクロマトグラフィーに供した。この操作により、青色を呈する蛋白性物資を電気泳動的に単一にまで精製することができた。培養液500mlから5.42mgの青色物質が精製された。SDS-PAGEによる分析から、本蛋白質は2つのサブユニットから成っていることが示された。さらに吸光・蛍光スペクトルの特性から、本蛋白質はフィコシアニンであろうと推定された。 上記の2つのサブユニットそれぞれのN末端アミノ酸配列を20残基まで決定し、その配列と相同性を有する蛋白質をSwiss Data Bankで検索した所、本蛋白質の配列は他の菌株由来のフィコシアニンの配列と極めて高い相同性を示した。このことから青色蛋白質はフィコシアニンであることが明らかとなった。
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