1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07555342
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 幹雄 東北大学, 素材工学研究所, 助教授 (10261471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 浩幸 東北大学, 素材工学研究所, 助手 (50250824)
江見 俊彦 東北大学, 素材工学研究所, 教授 (30250822)
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Keywords | レーザー / ナノ構造 / 光トラッピング / 単分散微粒子 |
Research Abstract |
本研究はマイクロあるいはナノ物体の光トラッピング技術を中心とする非接触・非破壊な先端的光操作技術を駆使することにより、ナノ構造の新しい構築法の概念と基盤技術を確立しようとするものである。本年度は2つのポリスチレンラテックス粒子を同時にトラップし、それらに働く粒子間力を測定した。この目的のために、粒子間距離および力の精密な測定法を開発した。その結果、さまざまな電解質濃度に対し、測定された粒子間がDLVO理論とよく一致することが判明した。 実験に用いたポリスチレンラテックス粒子は大きさが2.13μmのほぼ完全な球である。粒子間距離は、顕微鏡上に取り付けたCCDカメラの映像を画像処理することにより測定した。具体的には2つの球の中心を画像処理によって求め、その中心間の距離を球の直径から推定した。この方法によって2つの球の間の距離を1nmの分解能で測定できるようになった。また、粒子に働く力はストークスの法則を用いることにより、10^<13>mの分解能で測定できた。 以上の方法を用いて、実際に2つの粒子間に働く力を粒子間距離を変えながら測定したところ、DLVO理論から求められる値と極めてよく一致することが見出された。また、このような一致は電解質濃度を変えた場合にも認められた。以上の結果はナノ構造において支配的な力がDLVO理論によって説明できることを示唆しており、今後ナノ構造物を構築する上で、極めて有用な知見であると考えられる。
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Research Products
(1 results)