1995 Fiscal Year Annual Research Report
多自然型空間を創造するコンクリートの性能と施工法の開発
Project/Area Number |
07555434
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐伯 昇 北海道大学, 工学部, 教授 (80002004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉井 厚志 北海道開発局, 開発土木研究所, 室長
橘 治国 北海道大学, 工学部, 助手 (90002021)
板倉 忠興 北海道大学, 工学部, 教授 (70001138)
志村 和紀 北海道大学, 工学部, 助手 (60187474)
三上 隆 北海道大学, 工学部, 教授 (00002303)
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Keywords | 近自然工法 / Point Fix工法 / 帯工 / 護岸 / 透水性コンクリート / 自然環境 / アルカリ / 再生コンクリート |
Research Abstract |
河川の護岸工法としてPoint Fix工法を提案し、実河川における試験施工を行った。Point Fix工法は近自然工法の一手法であり、自然の河川環境を再現させる目的を持ち、その特長は部分的にコンクリート材料による護岸を施すことである。護岸の種類は二種類あり、一つは河道を自然蛇行させた状態で固定させるための帯工であり、もう一つは発達した蛇行の湾曲部の洗堀を防止するための護岸工である。帯工は蛇かご又はふとんかご方式とし、水生生物や小動物の住処とした。護岸工は土の中に埋め込む方式により植物の生育が可能となるようにし、地下水の流れを妨げないよう、透水性コンクリートを使用した。 洪水時の護岸の安定性を検討するため浅水流モデルを適用して水深および流速を計算した結果、護岸自身は洪水時に流されることはなくほぼ安定しているが、部分的な護岸のためにその上部において特に局所的な流力が働くおそれがあり、土砂の流出による護岸の安定性の検討が必要であると考えれられる。試験施工後の河川形態は、瀬と淵の形成および蛇行が確認され、河道はほぼ安定している。また、埋め込み形護岸工の上面には柳などの植生が繁茂しており、帯工の間に小動物が確認され、川には小魚がおり、自然環境が形成されている。 護岸に使用したコンクリート材料から溶出するアルカリ分が水質および植物の生育に悪影響をおよぼすことが考えれるが、周辺の水および土のpHの変化を調査した結果、普通コンクリートを用いた場合その影響が見られなかったが、帯工に再生コンクリートを用いた場合、一部施工直後にpHが11まで上昇した場合があり、何らかの処理が必要であると考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H. Tokushige: "Some Behaviour of Frost Resistance of Water Permeable Concrete" Concrete Under Severe Conditions. Vol.2. 1338-1347 (1995)
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[Publications] 佐伯 昇: "小河川におけるブロック護岸のエコロジカル施工法" Proceedungs of ECOSET'95. Vol.2. 525-530 (1995)
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[Publications] 徳重英信: "透水性コンクリートの物性と凍害劣化形態について" セメント・コンクリート論文集. No49. 638-643 (1995)
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[Publications] 和田直也: "近自然工法におけるコンクリートブロックの使用法" セメント・コンクリート論文集. No49. 844-849 (1995)