1997 Fiscal Year Annual Research Report
間欠曝気方式による畜舎汚水の窒素除去方法の開発に関する研究
Project/Area Number |
07555460
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
須藤 隆一 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70109916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徐 開欽 国立環境研究所, 主任研究員 (20250722)
稲森 悠平 国立環境研究所, 総合研究官 (10142093)
山田 一裕 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30250723)
中井 裕 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (80155655)
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Keywords | 畜舎排水 / 間欠曝気法 / 窒素 / 硝化 / 脱窒 |
Research Abstract |
畜舎排水は、汚濁負荷量が極めて高いにもかかわらず、多くが零細企業のための処理が不完全のまま放流されている例がほとんどである。このような畜舎排水からの汚濁負荷の削減、とくに栄養塩類の適切な処理方法の確立は、水域の環境改善および保全にとって必要不可欠である。本研究では,畜舎の実態調査を踏まえたうえで,室内実験と現場プラント実験を通じて,間欠曝気処理法による有機物,窒素の同時除去が可能な畜舎排水処理システムを確立させることを目的としている。まず豚舎からの汚濁負荷と処理状況の実態調査を行うとともに,室内実験による間欠曝気方式による回分式活性汚泥法運転条件の最適化をはかったうえで,反応槽容積20トンの現場プラント装置を稼働させ,畜舎排水の高度処理の実用化に向けた最適運転条件の検討を行なった。得られた結果は次の通りである。 1)間欠曝気運転を好気,嫌気各4時間に設定し,MLSS3000mg/l,原水濃度をBOD350mg/l,T-N450mg/lで処理実験したところ,BODの除去が90%となり,また硝化が良好に行われた。さらに脱窒に関しては,メタノールを効果的に用いることで目標水質を達成できた。 2)活性汚泥中の生物相の観察から,高濃度窒素含有排水である畜舎排水に特異的に出現する原生動物を検出し,指標生物として活用できることを見いだした。 3)間欠曝気回分式活性汚泥法による現場プラント実験の結果,処理水中のBODは140〜210mg/l,T-Nは62〜108mg/l,除去率はそれぞれ96%,94%となり,安定して除去することができた。一方,T-Pの除去率は最大33%となり,生物学的処理では十分対応できなかった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 徐開欽, 須藤隆一 他: "畜舎排水の性状と原単位" 用水と廃水. 39. 1097-1105 (1997)
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[Publications] 徐開欽, 須藤隆一 他: "畜舎排水と処理対策とその高度化" 用水と廃水. 40. 133-141 (1998)
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[Publications] 須藤隆一: "CO_2同様にN,Pも国別排出目標が必要 -環境保全対策の方向-" 月刊地球環境. 29. 27-31 (1998)