1995 Fiscal Year Annual Research Report
沿岸域における生態系保全のための次世代型水質予測手法の開発
Project/Area Number |
07555465
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
楠田 哲也 九州大学, 工学部, 教授 (50037967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山西 博幸 九州大学, 工学部, 助手 (20240062)
大石 京子 九州大学, 工学部, 助手 (20110835)
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Keywords | モデリング / 生態系 / フラックス / サンプリング方法 / バクテリア |
Research Abstract |
今年度は、博多湾を対象として、生態系を保全することを目的とした水質予測モデルの構造および素過程の決定とモデル中の変数、係数を決定するための予備調査を行った。現時点では、モデル構造を多層水平2次元とし、底質中も同様にしている。水中での構成要素は、デトリタス(懸濁態有機炭素・懸濁態有機窒素・懸濁態有機りん)、溶存態有機物質、植物プランクトン、動物プランクトン、バクテリアとし、底質中ではバクテリアによる反応のみとしている。次年度の調査結果により、バクテリアを要素とするか否かを決定することにしている。今年度の調査結果によると、博多湾ではデトリタス中の炭素は1-2mg/L、溶存態のものは3-4mg/Lであり、デトリタスと溶存態とを分けて扱わなければならないことを明らかにした。ク-ロメトリーによる生分解性試験の結果、デトリタスはやや分解しやすい傾向にあることが判明した。底質の酸素消費速度も室内試験により推定し、10mg/m^2/dのオーダーであることを確認した。 一点サンプリングのばらつきを減少させるために、空間平均値を得ることができるようにして、モニタリングの精度を向上させるための新しい方法として、大気への輸送フラックスを直接測定する方法を試みた。現在、測定可能な項目は、CO_2、N_2Oに限られているが、利用可能である見通しを得ることができた。ただ、周辺に高い構造物があると気流中の乱れが定常状態にならず、しかも鉛直方向濃度分布も定常に至らないために濃度分布の発達過程を仮定せざるを得ない弱点があることが判明した。
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