1995 Fiscal Year Annual Research Report
HPLC用の選択的化学修飾シクロデキストリン固定相の開発に関する研究
Project/Area Number |
07555568
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 稔 大阪大学, 保全科学研究センター, 教授 (60029238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉永 雅信 凸版印刷株式会社, 関西研究所, 研究員
矢坂 裕太 大阪大学, 保全科学研究センター, 助手 (90150333)
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Keywords | 液体クロマトグラフィー / 化学修飾シクロデキストリン固定相 / 光学分割 / ダンシルアミノ酸誘導体 |
Research Abstract |
1.β-シクロデキストリン(β-CD)の水酸基を選択的にメチル化する方法はすでに確立しているので、γ-CDの水酸基の選択的メチル化について検討した。その結果、2-位、3-位、6-位、2,3-位、2,6-位、3,6-位および2,3,6-位をそれぞれメチル化したγ-CD誘導体の単離とキャラクタリゼーションを行い、γ-CDの水酸基を選択的にメチル化する方法が確立できた。 2.未修飾のγ-CDも含め、得られたメチル化γ-CD誘導体の分子認識能・不斉認識能をチェックするため、キャピラリーゾーン電気泳動(CZE)によりダンシルアミノ酸およびその類似化合物の光学分割を行った。その結果、3-位および3,6-位のメチル化により不斉認識能が向上すること、さらに二級水酸基を全てメチル化した2,3-ジメチル-および2,3,6-トリメチル-γ-CDは全く不斉認識能を示さないことがわかった。これは、二級水酸基の全てをメチル化した2,3-ジメチル-および-2,3,6-トリメチル-β-CDでは不斉認識能の選択性が未修飾の場合と逆転するという結果と大きく異なる点である。さらに、検討した溶質全体の認識能はβ-CD誘導体よりγ-CD誘導体のほうが優れていることが判明した。 3.上記の結果より、まず3-位および3,6-位をメチル化したγ-CD誘導体と未修飾γ-CDをシリカゲルに固定することにし、アリルオキシエチル鎖を導入した未修飾γ-CDを大量合成し、これの3-位および3,6-位の水酸基の選択的メチル化を検討している。一方、この未修飾γ-CD誘導体をシリカゲルにヒドロシリル化により固定した固定相には未反応スペーサーアームがなく、従来の未反応スペーサーアームが残っている固定相より高い光学分割能を示した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Tanaka,Minoru: "Preparation and Retention Behavior of Cyclodextrin-Bonded Stationary Phases on a Silica Support without an Unreacted Spacer Chain" Analytical Sciences. 11. 227-231 (1995)
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[Publications] Yoshinaga,Masanobu: "Enantiomeric Separation of Dansylamino Acids by Capillary Electrophoresis with Selectively Methylated γ-Cyclodextrin Derivatives" Analytica Chimica Acta. 316. 121-127 (1995)