1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07556036
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Section | 試験 |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹内 典之 京都大学, 農学部, 教授 (40026638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野中 理伸 (株)ハイドロテック, 研究員
中島 皇 京都大学, 農学部, 講師 (40202212)
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Keywords | 攪拌型雨量計 / 融雪 / 貯留式雨量計 / 降雪強度 |
Research Abstract |
平成8年度は攪拌型融雪雨量計の改良型試作機製作とその試験を行った。前年度の稼働試験結果より、溶液のタイプ、量及び濃度が重要な要素となることが判明したので、溶液のテスト・検討を行った結果、溶液としてはメチルアルコールを、また蒸発防止のためにタービン油を使用すれば効果的であること、量については従来型(約4L)のおよそ3倍の容量をふまえて、試作機を作成した。稼働試験は昨年度の芦生演習林事務所横(標高360m)より標高の高い長治谷作業所前の気象観測露場(640m)に(新)撹拌型、(旧)撹拌型、水位計式撹拌貯留型、ヒーター付雨量計、従来型の5タイプの雨量計を併設して、長期観測を行っている。長治谷作業所は事務所に比べて積雪深はほぼ2倍、最大積雪深は平年で2m(1997年2月:210cm)と雨量計にとってはかなり厳しい条件になっている。現在も観測中であるため、全データの分析は春を待たなければならないが、1月、2月、3月にそれぞれ実施した集中観測では、(新)撹拌型、水位式撹拌貯留型は順調に稼働し、受水口の中に入った雪は全て融解され、降水量として記録されていた。ヒーター付雨量計については昨年度の観測結果で指摘した欠点の他、霰・雹などの融解に多くの熱量を必要とする降水に対しては、直ちには有効に働かず、霰・雹などが受水口のロ-ト部下端に集積することになり、それを徐々に解かして計測するために時間的なズレが生じることが確認された。今回、撹拌機は風呂ポンプを使用して、大容量の溶液撹拌にも対応できる対策を立てた。今年度の稼働試験によって、100V電源が常時使用可能な箇所での撹拌型融雪雨量計のシステムは一応確立すると考えられる。しかしながら、バッテリ-仕様のシステムに関しては、効率の良いモーターの選定(作成)と太陽電池との併設など今後の検討課題として残されている。
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