Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田野 晃 大阪府立大学, 農学部, 教授 (40081575)
平 知明 大阪府立大学, 農学部, 教授 (40145818)
西浦 芳史 大阪府立大学, 農学部, 助手 (80221472)
滝川 博 大阪府立大学, 農学部, 助手 (30081566)
村瀬 治比古 大阪府立大学, 農学部, 教授 (20137243)
|
Research Abstract |
本研究は,接ぎ木苗生産の自動化を目指したもので,それを構成する育苗・接ぎ木・養生(活着と順化を伴う)過程があり,それぞれを最適化するための手法の開発を試みている。本年度は,育苗については,土壌構造と根の発達に着目し,接ぎ木操作では,試作ロボットの性能評価を中心に取り組み,養生過程では,接ぎ木の活着機構を仮説し,それに基づいた環境の設定と苗の反応・活着への影響について評価した。具体的には次の通りである。育苗では,土壌の団粒構造に着目し,土壌の透水性・吸水性・保水性から土の物理性を評価し,土壌の構造は攪拌装置を用いて粒化度を設定し,栽培試験を行い,地上部と地下部の生長度合いを評価した。そして,台木の摘心処理の効果について科学的に評価した。また,接ぎ木苗ロボットでは,加工速度の限界を求めるため,回転速度と上昇速度の組合せと加工結果・切削抵抗・接ぎ木後の活着率・成苗率・結合強度による評価を行った。この結果については来年度に公表する予定となっている。また,グリッパの進入・把持・保持の設計アルゴリズムについても明確化しており,苗の操作と加工も含めたロボット全体の効率と能率についても求め,その範囲における実用性について評価した。最後に,養生環境においては,前年度までに明らかにした活着の評価方法に基づいて,穂木内水分状態に着目した環境要因を抽出し,気流・加湿方法・光強度などの環境に対する苗の活着に関わる反応について,しおれ状態も含め調べた。さらに,生体内部情報において,道管形成の可視化について染料選択・染色環境設定・三次元構造形成の方法論を示し,その特性と有効性について明らかにした。 以上のように,育苗・接ぎ木・養生(活着と順化を伴う)過程における最適化手法の開発の基本的原理についての手がかりが明らかとなった。
|