1997 Fiscal Year Annual Research Report
Neospora carinumの生活環解明と診断・予防・治療法の確立
Project/Area Number |
07556070
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
梅村 孝司 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00151936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志村 亀夫 農水省, 家畜衛生試験場, 室長
大永 博資 (財)日本生物科学研究所, 次長 (80072461)
播谷 亮 農水省, 家畜衛生試験場, 主任研究官
奥田 宏健 岡山県, 家畜病性鑑定所, 専門研究員
谷山 弘行 酪農学園大学, 酪農学部, 助教授 (90133800)
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Keywords | 原虫 / Neospora caninum / ネオスポラ症 / 牛の流産 / 骨格筋炎 / 脳炎 |
Research Abstract |
1.本邦におけるネオスポラ症の発生状況の解明:これまでに24都道府県で牛のネオスポラ症の発生を確認し、本症がほぼ全国的に蔓延していることを明らかにした。また、本症は1985年には既に我が国に存在していたこと、米国からの輸入牛に抗体陽性牛が多いことも分かった。犬ではシェルティ犬と、牛舎で飼育されている番犬の抗体陽性率が高かった。従って、犬と牛の間で本原虫が流通している可能性があり、牛舎で犬を飼育する危険性を指摘した。 2.国内発症牛からの原虫の分離:これまでに8株の原虫を流産胎仔あるいは異常産牛から分離した。分離した原虫のリボゾームDNAを解析したところ、米国の分離株とほとんど同じであった。また、分離株を用いて蛍光抗体法用の抗原プレートを作製し、日本および韓国における牛の抗体調査を行った。ほぽ全国的に抗体陽性牛が多く、感染牛は流産を繰り返す確率が高いこと、感染牛では脳に潜伏感染していること、韓国においても陽性牛が多いことが初めて分かった。また、世界に先駆けて、ラテックスビーズ法による簡易診断キットを作製し、特許申請準備中である。 3.生活環(伝播様式)の解明:野外において牛へ本症を媒介する可能性のある様々な動物(猫、犬、ネズミ、鳩、アライグマ)について抗体保有状況を検査したが、犬を除き、抗体を有する動物はいなかった。ヌードマウスは感受性が高く、末梢神経炎を起こしたほか、消化管粘膜でも原虫が増殖し、糞便によって伝達することが出来た。従って、本原虫の伝達様式についてはこれまで経胎盤感染しか知られていないが、糞便を介して水平伝播する可能性があると考えられた。
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Research Products
(13 results)
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[Publications] Sawada Masumi: "Serological survey of antibody to Neospora caninum in Japanese dogs" Journal of Veterinary Medicul Science. (in press). (1998)
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[Publications] Yamane Itsuro: "An improved isolation technique for bovine Neospora sp." Journal of Veterinary Diagnostic Investingation. (in press). (1998)
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[Publications] 奥田宏健: "牛の流死産・多発農場におけるNeospora caninum抗体保有率と流産胎子の病変" 日本獣医師会雑誌. (印刷中). (1998)
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[Publications] Yamane Itsuro: "In vitro isolation and characterisation of a bovine Neospora species in Japan" Research in Veterinary Science. 63. 77-80 (1997)
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[Publications] Sawada Masumi: "Pathological findings of nude mice inoculated with bovine Neospora" Journal of Veterinary Medical Science. 59(10). 947-948 (1997)
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[Publications] 奥田宏健: "1983〜85年の牛流死産例の母牛血清および胎子組織からの抗ネオスポラ抗体および抗原の検出" 日本獣医師会雑誌. 50(7). 386-389 (1998)
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[Publications] 奥田宏健: "牛におけるNeospora caninum感染症の血清疫学調査および発生状況" 畜産の研究. 51(2). 45-50 (1997)
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[Publications] Yamane Itsuro: "In vitro isolation of a bovine Neospora in Japan" The Veterinary Record. 138. 652 (1996)
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[Publications] 播谷 亮: "牛のネオスポラ症" 動物の原虫病. 10. 1-5 (1997)
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[Publications] 播谷 亮: "ネオスポラによる牛の流産" 家畜診療. 399. 33-35 (1996)
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[Publications] 播谷 亮: "牛のネオスポラ症に関する研究" 獣医畜産新報. 49(10). 857-859 (1996)
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[Publications] 播谷 亮: "牛のネオスポラ症" ふぉ-なす. 16. 1-6 (1996)
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[Publications] 奥田宏健: "ネオスポラ原虫による4週齡子牛の後躯麻痺" 日本獣医師会雑誌. 48. 544-546 (1995)