1996 Fiscal Year Annual Research Report
植物の微量要素栄養変異株スクリーニング法の開発と変異株よりの原因遺伝子の単離
Project/Area Number |
07556082
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
林 浩昭 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (60180973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 大輔 (株)三井業際植物バイオ研究所, 主任研究員
藤原 徹 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (80242163)
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Keywords | シロイヌナズナ / タグライン / 変異株単離 / T-DNA |
Research Abstract |
シロイヌナズナを用いて栄養学的な変異株を単離し、それを解析し、その変異の原因となる遺伝子を単離することは、植物の栄養生理を分子レベルで理解するうえでも非常に重要である。本研究課題においては、次の2点の方法論を確立することを目指している。(1)シロイヌナズナ植物個体の養分分析を効率よく行うシステムを構築し、変異株のスクリーニングを行う。(2)変異株単離後の原因遺伝子単離の効率化を計るために、T-DNA挿入によるタギングラインの作成を目指す。 変異株作成と原因遺伝子の単離が効率よく行える方法としては、T-DNAタギング法が有効であると考えられた。バキュウム法によりシロイヌナズナを効率的に形質転換できる系を確立し,2000の独立な変異株を作出し、種子を集めた。得られた独立なランダム変異株よりDNAを抽出し、T-DNAの挿入の様式を確認した。マーカーとしてT-DNA上に存在するハイグロマイシン耐性遺伝子の働きにより、形質転換体はハイグロマイシン耐性になるが、それぞれの株には、ランダムにT-DNAが挿入されていることをサザン解析により確認した。T-DNAの挿入数は、それぞれの株に1ヵ所あるいは2ヵ所以上挿入されていることが確認された。 これら作成されたタグラインを用いて栄養要求性変異株の単離を開始するにあたり、まず、極く低濃度の硫酸イオンを与えた培地で変異株の集団を成育させ、この条件では成育が良くないが、通常濃度の硫酸イオンを与えて成長が回復するものを変異株として選抜す系をEMS処理により得られた変異株を用いて確立した。また、ホウ素要求性の変異株単離のための方法も同様に確立した。 T-DNAタグラインの有効性も確認され、スクリーニング法も確立できたので、作成したタグラインを用いての目的変異株のスクリーニングが可能になった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 林 浩昭: "過剰発現型T-DNAタギング法によるオ-キシリ非要求成長(Axil)遺伝子の単離" 植物の化学調節. 31. 41-48 (1996)
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[Publications] T.Fujiwara et al.: "Regutation of soybean seed strage protein gere-a model for shlfur nutrition-negutated gene expression" SPB academic Publishing,Hague. (in press).