1997 Fiscal Year Annual Research Report
針葉樹葉クチン成分及びその分解物の効率的な大量取得法の確立と高度利用法開発の試行
Project/Area Number |
07556101
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
大橋 英雄 岐阜大学, 農学部, 教授 (80021723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重松 幹二 岐阜大学, 農学部, 助手 (00242743)
河合 真吾 岐阜大学, 農学部, 助教授 (70192549)
棚橋 光彦 岐阜大学, 農学部, 教授 (80093269)
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Keywords | 針葉樹葉 / クチン / クチン構成モノマー / プロピレングライコール処理 / ポリエチレングライコール処理 / 木材の可溶化 / 硫酸処理 / 酵素処理 |
Research Abstract |
樹木個体の約半量を占めるという葉、枝条部分の有効利用に資するべく、本課題では、特に、スギやヒノキなどの針葉樹葉の主要構成成分のひとつ、クチンに注目し、実験、検討した。本課題研究の3年目にあたる今年度には次のような結果を得た。 1)クチンのオリゴマーやモノマーを効率的に得るための前処理法について種々検討した。(1)プロピレングライコール処理について検討し、本法がリグニン除去に効果的であり、クチンだけでなく、セルロースの利用につながることを明らかにした。(2)ポリエチレングライコール処理について検討し、本処理はセルロース、ヘミセルロース、リグニンの大部分を可溶化し、可溶化物は発泡体の製造が、残るクチンは濃縮、取得できることを示した。(3)p-クレゾール・硫酸処理の検討を始め、本方法がクチンだけでなく、リグニンの利用にもつながると考察した。(4)上記処理物に硫酸加熱処理やトリフロロ酢酸処理を重ねることでセルロースが効果的に除去できることを発見した。(5)上記処理物に対するセリラーゼによる処理についても検討し、知見を集めた。(2)上記1)で得た処理物の機器分析を行ってクチンの精製度を把握した。(3)クチン構成主要モノマー、10,16-ジヒドロキシヘキサデカン酸に油固化(ゲル化)能のあることを発見し、ゲル化に関する基礎的知見を集めた。 なお、これらの結果は定期的にとりまとめて日本木材学会で発表した。
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