1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07556108
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
蔵田 憲次 東京大学, 農学部, 助教授 (90161736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荊木 康臣 東京大学, 農学部, 助手 (50242160)
後藤 英司 東京大学, 農学部, 助手 (00186884)
高倉 直 東京大学, 農学部, 教授 (50011929)
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Keywords | 地球環境 / 炭酸ガス濃度 / FACE / 耕地生態系 / チャンバー効果 |
Research Abstract |
大気中の二酸化炭素濃度の上昇の、耕地などの人工生態系や自然生態系に与える影響評価の解明の手段として、チャンバー効果のない開放形の実験(FACE : Free Air 002 Enrichment)の必要性が叫ばれている。本研究は、既存のFACE実験施設に比べて必要経費および必要土地面積が少ないFACE実験施設の開発を目的とする。具体的には、風向・風速によらず耕地内に一定の二酸化炭素濃度勾配を作り出すように、二酸化炭素放出位置および強度をコンピュータ制御する新しいFACE実験施設を開発する。初年度はシミュレーションによって、風向が逆になった場合、どの程度一定の二酸化炭素濃度勾配を作れるかを確認すること、および濃度勾配型FACE施設のプロトタイプを作成し、その性能評価をすることを主な目的とした。 シミュレーションの結果、風向が逆になった場合でも複数個の放出源から適度な強度で二酸化炭素を放出すれば、ほぼ一定の二酸化炭素濃度勾配(最大で約100ppmの差)を維持できることがわかった。このことは濃度勾配型FACE実験の可能性を強く示唆している。 CO2放出装置(風が一定方向から吹くことを想定したもの)、CO2濃度分布測定装置や制御プログラムなどのプロトタイプを作成し、実際に耕地での試験をして、予期した性能が得られたことを確かめた。 このプロトタイプを使用して、実際の耕地でのCO2放出実験を行った結果、風速が一定以上の場合、比較的安定したCO2濃度勾配が得られたが、極度の弱風の場合濃度勾配は場合により大きく異なった。 今後、この弱風の場合の問題の原因を探ると同時に、風速が変動する場合の実験を行う予定である。
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