1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07556108
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Section | 試験 |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
蔵田 憲次 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (90161736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 和彦 農林水産省, 農業環境技術研究所, 主任研究官
荊木 康臣 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (50242160)
後藤 英司 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (00186884)
高倉 直 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (50011929)
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Keywords | 地球環境 / 二酸化炭素濃度 / FACE / 耕地生態系 / チャンバー効果 / マシーン効果 |
Research Abstract |
本年度は、FACEシステムを開発する上で、最近特に注目を集めているマシーンイフェクトを中心に取り組んだ。1996年11月に世界中のFACE研究者が集まったDuke大学でのFACE研究集会、およびその後のe-mail上での討論で大きな話題となったのがマシーンイフェクトであり、この問題は当研究課題でも避けて通れない問題である。マシーンイフェクトとは、二酸化炭素ガスを希釈して放出するパイプの存在やガス放出そのものの影響で、実験区内の乱流拡散が変化し、実験区内の気温や葉温が上昇する現象をいう。アリゾナのFACE実験ではFACEリング内だけ霜がおりない、という現象も観察されている。本来、チャンバーイフェクトを克服する目的で考案されたFACE実験であるが、マシーンイフェクトは第2のチャンバーイフェクトともいえるもので、FACE実験を進めるうえで克服すべき課題である。 そこで、本年度は、風洞実験で、3種類のガス放出装置を使い、それぞれのマシーンイフェクトを検討した。ガス放出装置としては、アリゾナでのFACE実験など現存するFACEシステムのほとんどが採用している比較的太いパイプからガスを放出する方式、施設園芸などで使われている潅水チューブを水平に設置し、ガスを放出する方式、地面に置いたパイプから細いチューブを垂直に多数設置する方式(以後櫛形装置)の3つである。それぞれの装置を置いたときとガスを放出したときの下流の風速、乱流強度の変化、および模擬葉の温度の変化を計測した。その結果、放出部近辺をのぞけば、マシーンイフェクトの効果が一番小さいのは櫛形であることが判明した。この結果を基に、マシーンイフェクトの少ない濃度勾配型FACEシステムの開発に取り組む予定である。
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Research Products
(1 results)