1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07556108
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
蔵田 憲次 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90161736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荊木 康臣 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (50242160)
後藤 英司 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00186884)
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Keywords | 地球環境 / 二酸化炭素 / FACE / 耕地生態系 / 濃度勾配 |
Research Abstract |
本年度は、本科研費の最終年度として、今までの成果に基づき、濃度勾配型FACE実験装置の完成を目指した。今までの成果より、濃度勾配型FACE実験装置には、円形ではなく、船型のFACEリングを作った。放出装置には潅水用チューブを用いた。前年度のマシーンイフェクトの解析結果からは、櫛形が優れていることがわかったが、別途進行中のRICE FACEプロジェクトと連携をとるため、RICE FACEプロジェクトで使用する潅水チューブとした。FACEリングは細長い六角形とし、1本5mのチューブ10本を高さ60cmの位置に配置し、純二酸化炭素ガスを放出する方式とした。長い辺をその場の主風向に垂直になるようにした。二酸化炭素放出制御は強・中・弱・無の4段階とし、それぞれを放出時間で制御した。制御は風向と風速からフィードフォワード方式にし、二酸化炭素濃度の測定値をフィードバックさせる方式は、今後の課題とした。得られた主な結果は次のようである。 1.計7回の放出実験のいずれでも、40分くらいの平均値では、濃度勾配を形成することができた。ただし、各実験ごとの濃度勾配は異なった。 2.5分平均値でも、ほとんどの場合、濃度勾配が形成できたが、一部、逆濃度勾配になったり、平坦な勾配になった場合があった。 3.上記の濃度勾配が形成されなかった場合は、0.5m/s以下の弱風が続く場合と、高濃度設定区側から低濃度設定区域に向かって風が吹く場合であった。 以上の結果から、濃度勾配型FACE実験装置のプロタイプが開発されたといえる。しかし、まだ改良の余地は多く(上記3の場合など)、フィードバック制御を取り入れることなどにより改良可能と判断している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Kurata et al.: "Fundamental Study for Developing a Concantration-Gradient FACE System" J.Agric.Meteorol.52・5. 783-786 (1997)
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[Publications] K.Kurata et al.: "Preliminary Experiments on Concantration-Gradient FACE System" Global Change Biologg. (予定).