1996 Fiscal Year Annual Research Report
犬の肥満・糖尿病に対する褐色脂肪賦活薬を用いた新しい予防・治療法の開発
Project/Area Number |
07556117
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
斉藤 昌之 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (80036441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新山 雅美 酪農学園大学, 酪農学部, 教授 (70001534)
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Keywords | 肥満 / 褐色脂肪 / β-アドレナリンレセプター / イヌ |
Research Abstract |
ヒトと同様に小動物臨床領域においても、肥満は糖尿病や高血圧などいわゆる生活習慣病(成人病)を誘発する最大のリスクファクターである。体脂肪を蓄積している白色脂肪組織での脂肪分解や、エネルギー消費に寄与する褐色脂肪組織での熱産生は、カテコールアミンのβ作用によって活性化される。従って、脂肪細胞に特異的に発現しているβ3アドレナリンレセプターの作動薬は、肥満の予防と治療に有効であると期待できる。昨年度の研究で、齧歯類で有効性が認められたいくつかのβ3作動薬について、ビ-グル犬に対する急性効果を調べ、CL316、243(日本レダリ-)が脂肪分解作用が最も強いことを見いだした。そこで、今年度は、長期投与の効果を調べ、以下の知見を得た。 ビ-グル成犬8頭(体重10-12kg)を群に分け、一方にはCL316,243(0.1mg/kg/day),他にはプラシーボを1日1回、食餌と共に与え、経日的に体重を胴囲を測定した。プラシーボ群に較べて薬物投与群では、体重、胴囲共に低値となり、4週間後に投与群を交替させると逆転した。更に5週間経過した後、組織学的並びに生化学的検索を行ったところ、体脂肪の減少と、褐色脂肪に特異的な熱産生蛋白質であるUCPの多量発現が、mRNAと蛋白質の両者で確認された。また、薬物の投与を中止した後5週間にわたって体重と胴囲を追跡したが、ゆり戻し(rebound)現象が見られなかった。 これらの結果から、イヌに対してβ3作動薬が褐色脂肪組織の増生を伴いながら体脂肪を減少させる、即ち抗肥満効果があることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H. Nikami et al.: "Expression of beta3-adrenoceptor and stimulation of glucose transport by beta3-agoista in brown adipocyte primary culture" Journal of Biochemistry. 119. 120-125 (1996)
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[Publications] I. Nagase et al.: "Expression of uncoupling protein in skeletal muscle and white fat of obese mice treated with thermogenic b3-adrenergic agoinst" Journal of Clinical Investigation. 97,12. 2898-2904 (1996)
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[Publications] M. Kobayashi: "Expression and localization of insulin-regulatable glucose transporter (GLUT4) in rat brain" Neuroscience Letters. 213. 103-106 (1996)
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[Publications] S. Okamoto et al.: "Ventromedial hypothalamus suppresses splenic lymphocyte activity through sympathetic innervation" Brain Research. 739. 308-313 (1996)