1996 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外線CTによる脳機能解析法の確立と応用:ファンクショナル光CT法の確立
Project/Area Number |
07557018
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Section | 試験 |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永井 克也 大阪大学, たんぱく質研究所, 教授 (70029966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江田 英雄 島津製作所, 中央研究所, 主任(研究職)
南野 壽重 大阪大学, 医学部, 講師 (70028546)
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Keywords | 近赤外線 / CT / ヘモグロビン / ミオグロビン / ラトクロム酸化酵素 / 脳機能 / 画像化 |
Research Abstract |
大阪大学蛋白質研究所に設置された近赤外線CT装置を使用し、血漿をヘモグロビンを含まない代用血漿に置換したラットの虚血時の脳の画像化にこれまでに成功しているが、代用血漿を用いないと鮮明な脳の画像が得られず、解像度も約10mmとかなり低いものであった。本研究では平成7年度に近赤外線CT装置のレーザーコリメーションシステムを波長を830nmから690nmの波長のものに代えた3波長のレーザー光を使用する新たな半導体レーザーコリメーションシステムと交換すると同時に、解像度を高める機械的改良を行った。今年度はこのCT装置のコンピューターソフトウェアーを改良し、解像度を更に改善した。即ち、これまで本装置は連続光による測定値を直線的にback projection(BP)する方法を用いたが、このような光の散乱を無視して直進すると考えた上での再構成法には分解能の点で問題があった。そこで、散乱光も計算に入れてCT画像を改良しその分解能を上げる努力を行った。この間、散乱体内部における光拡散の研究が進展し、コンピューターの発展と相まって光の拡がりをMonte Marlo法と呼ばれるコンピューター・シミュレーション法で推定することが出来るようになった。この方法を用いて直線の代りに、得られた拡がりでback projectionする方法が拡がりを考慮した再構成方法(重み関数法)でありこの方法を使用することによって、検出光量を減らすことなく再構成画像の分解能を向上させることが出来た。この再構成法の分解能について検討した結果、本方法で測定すると従来の直線BP法では分離することの出来なかった2つの吸収体が分離出来るようになった。これらの結果から現在の本近赤外線CT装置の分解能は5mm以下に改善したことが明かになった。現在、分解能の改善した本装置を用いて動物での検討を行い、活動を反映した頭部特に能の機能画像の作製に取りかかっている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 小田一郎: "光の拡がりを考慮した光CT再構成画像" 第44回応用物理学会関係連合講演会 講演予稿集. 3(印刷中). (1997)
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[Publications] 永井克也: "平成8年度光技術動向調査委員会 第4分科会(光エネルギー)報告書「光CTの現状-近赤外線CT装置による生化機能画像化-」" 財団法人 光産業技術振興協会(印刷中), (1997)