1997 Fiscal Year Annual Research Report

微小電極を用いた生体内一酸化窒素動態連続モニタリング装置の開発

Research Project

Project/Area Number	07557019
Research Institution	Osaka University
Principal Investigator	大和谷厚大阪大学, 医学部, 教授 (30116123)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	下山紳ぺんてる株式会社, 替芯開発室, 室長(研究者) 川口章東海大学, 医学部, 助教授 (30195052) 池田修金沢大学, 理学部, 教授 (60089878) 三宅幹夫北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学科, 教授 (80112019)
Keywords	一酸化窒素 / 炭素電極 / 金属ポルフィリン / サイクリックボルタンメトリー / ナフィオン / ニトロシル錯体 / αデキストリン / 血管内皮細胞
Research Abstract	まず、感度ならびに特異性を向上させるための電極被膜を検討した上で、生体試料からの一酸化窒素(NO)遊離の検出を行った。NOの電解酸化の触媒としてはサイクリックボルタンメトリーによる触媒能の評価からFe(CI)(TPFPP)が最良であった。そこで、Fe(CI)(TPFPP)を含有するナフィオン膜被覆グラシーカボン電極でNOを定電位アンペロメトリー法により測定したところ、10×10^<-9>Mまで定量的に検出できた。ナフィオン膜中におけるFe(CI)(TPFPP)の電極触媒作用を明らかにするため、メタノール溶液中でのスペクトロエレクトログラムを測定した結果、NOの配位によって生成する[Fe(III)-NO=Fe(II)-NO^+]は0.15V(vs.Ag/Ag^+)より正の電位で酸化され、Fe(III)のスペクトルを与えたことから、[Fe(III)-NO=Fe(II)-NO^+]がFe(III)+NO^+に酸化される化学-電気化学(CE)接触再生機構でNOの電解酸化が進行することが明らかとなった。一方、シャープ芯電極の場合はその表面を陽イオン性高分子であるポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、包接作用を有するα-シクロデキストリン、さらに、ナフィオンで三重に被覆した電極を作成したところ、生体内に共存して測定を妨害する可能性があるアスコルビン酸、ド-バミン、尿酸、システインによる酸化還元電流値が大きく低下し、NO選択性が向上することが分った。さらに、ダブルタイムベース測定により、溶液中のNOの濃度変化に対応して電流変化を計測できることを明らかにした。これらの電極をラットの摘出血管に装着し、アセチルコリン添加によるNO遊離を測定したところ、100nM程度のNO遊離を検出することができた。この遊離は内皮細胞依存性であり、さらに、NO合成酵素阻害剤投与により消失することを確認した。また、培養血管内皮細胞からのNO遊離を検出することもでき、生体組織への応用が可能であることを示した。

Research Products

(6 results)

All Other

All Publications (6 results)

[Publications] O.Ikeda, T.Kobayashi, M.Miyake, A.Kitajima, A.Uno, A.Yamatodani: "Electrocatalytic oxidation of nitric oxide by metalloporphyrins dissolved in Nafion film." J.Electroanalytical Chem.(印刷中). (1998)
[Publications] 池田修、小林敬明、三宅幹夫、北島彰、大和谷厚: "一酸化チッ素の電解酸化における金属ポルフィリンの触媒作用" 電気化学協会北陸支部秋季大会講演要旨集. 9-10 (1997)
[Publications] 池田修、松村隆、小村照寿、望月敬也、林亮、三宅幹夫、北島彰、大和谷厚: "生体中の一酸化チッ素検出用微小電極に関する研究" 電気化学協会北陸支部秋季大会講演要旨集. 11-12 (1997)
[Publications] 北島彰、寺西利治、三宅幹夫、池田修、大和谷厚、川口章: "イオン性高分子膜でシャープ芯を被覆した生体内NO測定用炭素電極" 電気化学協会北陸支部秋季大会講演要旨集. 17-18 (1997)
[Publications] 北島彰、寺西利治、三宅幹夫、池田修、大和谷厚: "生体内NO測定用カーボン電極の開発" 日本エネルギー学会関西支部第42回研究発表会講演要旨集. 39-40 (1997)
[Publications] 北島彰、寺西利治、三宅幹夫、池田修、大和谷厚: "イオン性高分子膜でシャープ芯を被覆したNO測定用炭素電極" 日本化学会第74春季年会講演要旨集 3F146. (発表予定). (1998)

1997 Fiscal Year Annual Research Report

微小電極を用いた生体内一酸化窒素動態連続モニタリング装置の開発

Principal Investigator

大和谷 厚 大阪大学, 医学部, 教授 (30116123)

Research Products

[Publications] O.Ikeda, T.Kobayashi, M.Miyake, A.Kitajima, A.Uno, A.Yamatodani: "Electrocatalytic oxidation of nitric oxide by metalloporphyrins dissolved in Nafion film." J.Electroanalytical Chem.(印刷中). (1998)

[Publications] 池田修、小林敬明、三宅幹夫、北島彰、大和谷厚: "一酸化チッ素の電解酸化における金属ポルフィリンの触媒作用" 電気化学協会北陸支部秋季大会講演要旨集. 9-10 (1997)

[Publications] 池田修、松村隆、小村照寿、望月敬也、林亮、三宅幹夫、北島彰、大和谷厚: "生体中の一酸化チッ素検出用微小電極に関する研究" 電気化学協会北陸支部秋季大会講演要旨集. 11-12 (1997)

[Publications] 北島彰、寺西利治、三宅幹夫、池田修、大和谷厚、川口章: "イオン性高分子膜でシャープ芯を被覆した生体内NO測定用炭素電極" 電気化学協会北陸支部秋季大会講演要旨集. 17-18 (1997)

[Publications] 北島彰、寺西利治、三宅幹夫、池田修、大和谷厚: "生体内NO測定用カーボン電極の開発" 日本エネルギー学会関西支部第42回研究発表会講演要旨集. 39-40 (1997)

[Publications] 北島彰、寺西利治、三宅幹夫、池田修、大和谷厚: "イオン性高分子膜でシャープ芯を被覆したNO測定用炭素電極" 日本化学会第74春季年会講演要旨集 3F146. (発表予定). (1998)

大和谷厚大阪大学, 医学部, 教授 (30116123)