1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07557210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
南 睦彦 横浜市立大学, 医学部, 教授 (60092342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 道男 横浜市立大学, 医学部, 講師 (60239001)
天野 皓昭 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (70128586)
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Keywords | マラリア / 放射線 / 輸血 / 赤血球 |
Research Abstract |
Plasmodium falciparumガンビア株FCR-3をin vitroで培養すると、初期感染率0.3%から出発して、3日目にピーク(5-10%)に達し、その後漸減する。感染率6.9%から培養を開始すると、1日目で6.5%とほとんど減少は見られないが、2日目には2.9%、3日目には1.6%と急激に減少する。これに対し、放射線照射を行った群では、培養1日目で強い減少傾向が見られた。10Gyの低照射群では5.7%とやや減少しただけであるが、20Gy以上の照射群では3.7%以下と強い減少を示した。さらに2日目にはいずれの照射群でも、1.6%以下と減少した。5日目にこれらの感染赤血球の一部をとり、新しい赤血球とともに新たに継代培養したところ、低照射10Gyでは再増殖が見られたのに対し、高照射100Gyでは増殖は全く見られず、赤血球内のマラリア原虫は殺滅されたものと考えられ、感染性はほぼ完全に阻止されるものと考えられる。次に感染率の低い(1.8%)赤血球浮遊液に放射線照射を行い、培養を行った。コントロール群では2日目から増殖が見られ、3日目にはピークである6%に達し、以後減少する。放射線低照射群(10-20Gy)では感染率の増加の1-2日の遅れが観察された。一方、高照射群(50-100Gy)ではほとんど完全に感染率の増加は押さえられ、増殖は完全に阻止されたと考えられる。さらに残っているマラリア原虫も、形態的に以上な形態を示していた。 以上より、赤血球内に存在するPlasmodium falciparumは放射線照射に感受性であり、適当量の放射線照射により、感染性が失われることが強く示唆される。得に、50Gyの照射は血液製剤への適用も可能な範囲と考えられる。
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