1995 Fiscal Year Annual Research Report
抗トリパノソーマ薬スクリーニング法の確立と化学療法剤の開発
Project/Area Number |
07557211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
青木 孝 順天堂大学, 医学部, 教授 (20053283)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下河原 理江子 順天堂大学, 医学部, 助手 (50146776)
嶋田 淳子 順天堂大学, 医学部, 助手 (20211964)
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Keywords | 抗トリパノソーマ薬 / クルーズトリパノソーマ / シャーガス病 / 薬剤スクリーニング法 / アロプリノール / イノシン誘導体 / 抗エイズ薬 / AZT |
Research Abstract |
本研究の目的は、Trypanosoma cruziに対する薬物の1次スクリーニング系を確立し、これを用いて抗原虫薬、抗ウイルス薬、抗ガン剤、生薬等、各種カテゴリーの化合物を多数検索し、シャーガス病の治療薬開発をめざす基礎研究をおこなうことである。(1)予備実験で確立した感染系では、宿主細胞HeLaは24-wellプレートのwell底面で直接固定染色して顕微鏡観察したので、倍率は200倍までで解像度も不十分であった。改良法では宿主細胞はwell内に入れたカバーグラス上で培養し、そのままtrypomastigoteを感染させ、経時的に固定染色した後、カバーグラスを取り出し上下転倒してスライドグラス上で包埋した。そのため高倍率の400倍まで観察でき、解像度もきわめて良好となったので、宿主細胞の感染率、感染細胞当たりのamastigote数について精度の高い測定が可能となった。さらに、宿主細胞として新たにマウス由来Swiss 3T3線維芽細胞を導入して感染実験をおこない、HeLa細胞と基本的に同様な結果を得たが、2種の宿主細胞は必要に応じて使い分ければ我々の1次スクリーニング系はさらに有用になることが判った。(2)この改良法を用いプリン誘導体の効果を調べたところ、痛風の治療薬として使用されているアロプリノールは宿主細胞の感染率、感染細胞当りのamastigote数をともに強く抑制した。ゆえに、アロプリノールは我々の1次スクリーニング系のpositive controlとして有用であることが明らかとなった。(3)他のプリン誘導体では3'-デオキシイノシン、3'-デオキシアデノシンは著しい抗トリパノソーマ効果を示したが、後者は毒性が高いことが知られているので、前者の方が有望であると考えられる。(4)ピリミジン誘導体の中では、抗AIDS薬のAZTは低濃度でトリパノソーマ増殖阻害をきたした。他の抗AIDS薬のうちddI、ddAはT. cruziの増殖を抑制したが、ddCは無効であった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Aoki, Takashi: "Quantitative determination of Trypanosoma cruzi growth inside host cells and effect of allopurinol" Purine and Pyrimidine Metabolism in Man VIII, Ed- by A. Sahota and M. Taylor, Plenum Press, New York. 8. 499-502 (1995)