1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07557213
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
天児 和暢 九州大学, 医学部, 教授 (20078752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 昭 日本レーザー電子(株), 技術顧問
梅田 昭子 九州大学, 医学部, 講師 (30078604)
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Keywords | AFM / プラスマ重合 / ファージ / 細菌 / 顕微鏡 |
Research Abstract |
AFMで生物試料を見る場合の難点である試料のプローブによる損傷と移動を解決する方策として、試料表面を有機物の薄膜で覆う方法の検討を行った。その結果、次のような利点、難点が明らかにされた。使用した有機物はナフタレンであり、薄膜の作成はプラスマ重合装置を用いた。 利点 (1)1nm以下のごく薄い薄膜でも十分に損傷、移動を防ぐことが出来た。 (2)ナフタレン以外の有機物、ブタン、メタンなども利用可能である。 (3)4酸化オスミウム蒸気も利用可能であった。 (4)薄膜の効果は安定で、数週間後も観察可能であった。 (5)分解能もファージ粒子を解像できるほどの成果が得られた。 難点 (1)装置が高価である。 (2)チップの摩滅がおこり、その結果分解能が低下する。特にオスミウム薄膜が著明である。 (3)分子レベルの解像力は、薄膜の影響により低下すると考えざるを得ない。 今後の課題 この方法は簡単に生物試料の安定が出来る点で優れている。チップの摩滅の防止策としては、より柔らかい有機物薄膜の形成、その材料の検討をしなければならない。また、チップの形状の開発も必要である。 AFMには、直接のコンタクトにより観察する方式に加え、間接的に観察するnoncontact modeの観察方法があるので、薄膜法とnoncontact mode法の観察の結果の比較をする必要がある。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] K.Amako: "Imaging of the surface structure of epon thin section created with a glass knife and a diamond knife by an atomic force microscope." Journal of Electron Microscopy. 42. 121-123 (1993)
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[Publications] 天児和暢: "原子間力顕微鏡による生物試料の観察" 第49回日本電子顕微鏡学会学術講演会. 102. (1993)
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[Publications] A.Umeda: "Stabilization of biological specimen by use of plasma polymerized hydrocarbon film for imaging with an atomic force microscope." Journal of Electron Microscopy. 44. 408-409 (1995)
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[Publications] 梅田昭子: "AFMによる生物の観察:試料固定へのプラスマ重合膜の応用" 第51回日本電子顕微鏡学会学術講演会. 120. (1995)
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[Publications] 梅田昭子: "AFMによる微生物観察における諸問題" 第37回日本電子顕微鏡学会九州支部総会. 8. (1995)