1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07557245
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Section | 試験 |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野坂 和男 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (70150274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 茂夫 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (50188380)
中尾 彰秀 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (10159056)
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Keywords | 糸球体上皮細胞 / 糸球体硬化症 / 上皮細胞進展 |
Research Abstract |
腎臓の上皮細胞は常に進展され、進行性腎障害では、更に過進展が加わることでその形態と機能がどのように変化するかを解明することにより、糸球体硬化の成因と機序を明らかにすることが出来るのではないかという仮定のもとで研究を進めた。 実験方法は既存のType1 collagenが塗布されたFlexercellを用いて糸球体上皮細胞の初代培養を試みた。やや生育程度は劣るが上皮細胞の特有な敷き石状に増殖する多角形の細胞が得られた。約7〜10日間培養し新しい培養液に変えてから、コントロールとする細胞(1)はそのままの状態でさらに48時間の培養を続け、もう一方の細胞(2)も新しい培養液に変えてから約60回/分で進展度20〜30%という条件で進展を48時間行った。その後、細胞を回収してm-RNAを抽出した。泳動後ハイブリダイゼーションを行い、ノーザンブロット法によりm-RNAの定量を行った。今回は特にTGF-βのm-RNA定量を行い、(1)は1012.31、(2)2616.27と(2)に強いバンドが認められ、進展により上皮細胞のTGF-βは上昇することが認められた。このことは上皮細胞も進展によりメサンギウム細胞の増殖や硬化にかなりの影響を与えているものと考えられる。 Flexercell上での上皮細胞は増殖しにくく、m-RNAを定量するだけの量が得られない時がかなりあり、現在エラスチンの塗布されたFlexercellを用いて培養を行い、Type1 collagenに比べ良好な増殖が得られている。 今後上皮細胞の増殖系を確立して行きたい。増殖系の確立後は、TGF-βについて細胞の時間的経過や進展度などの定量的な変化など、さらに検討を加えていくと同時に、TNF-α、IL-1、PDGF等のサイトカインや他の物質(collagen1,collagen4など)についても検討を進めて行きたい。
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[Publications] HIDEOMI YAMADA: "Roles of Ca^<2+> and PKC in regulation of acid/bese tramspat in isolated plopinelted" the American Plysiological Society. F1068-F1076 (1996)
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[Publications] 野坂和男: "An adenosine deaminase inhibitor prevento puromyrin aminonucleoside nepbrotoxicity" Free Radical Biology & Medicine. Vol22-4. 597-605 (1997)