1995 Fiscal Year Annual Research Report
膵ラ氏島β細胞死の制御を目標としたI型糖尿病の治療法の開発
Project/Area Number |
07557354
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
近藤 宇史 長崎大学, 医学部, 教授 (00158908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長瀧 重信 長崎大学, 医学部, 教授 (70010311)
朝長 万左男 長崎大学, 医学部, 教授 (40100854)
山下 俊一 長崎大学, 医学部, 教授 (30200679)
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Keywords | マウスβ細胞 / 糖尿病 / グルタチオン / β-GCS / サイトカイン |
Research Abstract |
研究方法:マウスβ細胞(βTC)を用いて28mMグルコースを加えて7日間培養した。5.5mMグルコースを加えた群をコントロールとした。 結果:糖尿病の患者や実験動物に於て組織内のGSH濃度は低下している。そこで28mMグルコースを添加し細胞内グルタチオン(GSH)濃度を経時的に検索した。7日間培養すると、GSH濃度は前値の45%まで減少した。即ち高濃度グルコース長期暴露が細胞内GSH濃度を低下させることが判明した。次に100units/mlのTNF-αとIL-1βをコントロールに添加すると、3時間後にGSH濃度はそれぞれ約6倍まで増加した。その後48時間で前値まで減少した。28mMグルコースで7日間培養した細胞ではサイトカインを添加してもGSH濃度は変化しなかった。グルタチオンの合成酵素(γ-GCS)の活性に及ぼす影響を検討したところ、高グルコース群ではサイトカイン刺激前にすでに約50%に減少していた。サイトカイン投与3時間後にコントロールではGSHの増加に一致してγ-GCS活性は約2倍に増加した。しかし高グルコース群ではγ-GCS活性の増加は認めなかった。次にγ-GCSmRNAレベルを検討した。サイトカイン添加2時間後のγ-GCSmRNAを測定すると、コントロールではγ-GCSmRNAは迅速に反応し、前値の約1.8倍まで増加を認めた。一方28mMグルコース下で7日間培養した細胞では、45%までγ-GCSmRNA量は、減少しており更にサイトカインの刺激に対する反応は欠如していた。過酸化水素を種々の濃度で添加し細胞障害を測定すると、高グルコースで培養した細胞では細胞死を容易に来たすことが明かとなり、糖尿病発症の機序の要因となることが示唆された。
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Research Products
(1 results)