応用数学・機械工学・電気工学と情報処理を融合した新しい工学教育の構築に関する研究

1996 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 07558012
• Research Institution: MIYAGI NATIONAL COLLEGE OF TECHNOLOGY
• Principal Investigator: 佐藤 次男 宮城工業高等専門学校, 総合科学系・理数科, 助教授 (90042259)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 伊藤 惇 秋田工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (50042312) ; 中村 理一郎 鶴岡工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (00042367)
• Keywords: 工学教育 / 数値計算法 / 情報処理 / シミュレーション / 応用数学 / 機械工学 / 電気工学

Research Abstract

本研究では工学問題と応用数学と情報処理との関わりについて研究し、新しい工学教育を目指すことを目的とするものであり、その主な対称科目は水力学、流体工学、自動制御、システム工学、電気磁気、電気回路、電子回路、応用数学や数値解析などと広範である。
この研究は文部省委嘱調査研究の「短期高等教育における情報処理教育の実態に関する調査研究」報告書を参照し、その教育目標に沿った次に示す項目について研究をおこなった。
1総合的な工学教育の完成を目指し、その教授内容などを調査し、機械と電気工学と数学とコンピュータ処理(非線形方程式,連立方程式,微積分,固有値,微分方程式,フーリエ級数とフーリエ変換など)を有機的に融合させた教育のあり様と内容を検討し、教材開発を行った。
2数学や応用数学や電気回路や通信方式などの電気系科目での問題に対し、市販の表計算ソフトを用いたシミュレーションの事例とその教材の開発例を示し、新しい教育方法を試行した。
3総合的な解析能力と創造性豊かな独創的な教育研究事例として、流体工学での圧力分布が全微分式、最小自乗法、ガウス・ザイデル法を組み合わせた新しい研究方法を開拓した。
4工学問題と応用数学と数値解析との関わりを体系化し、工学教育での総合的な問題解決能力を育成するための問題集を作成した。
なお本研究者らは高専と大学の情報処理教育の一層の発展を目指し、さまざまな数値解析について、アルゴリズムと計算精度と計算量と誤差対策を体系的に学習するための教材を開発中である。

Research Products

• [Publications] 松浦真ほか: "物理・化学・数学・情報処理を有機的に関連させた総合科学の試み" 日本物理教育学会第12回全国大会発表予稿集. 第12巻. 42-43 (1995)
• [Publications] 伊藤惇: "微分学その他を駆使した卆研生の独創的アイディア" 高等専門学校情報処理教育研究会論文集. 第13号. 115-118 (1995)
• [Publications] 伊藤惇: "均質性を仮定した気液2相流中の翼に及ぼすボイド率分布の理論効果" 素材物性学雑誌. 第8巻2号. 4-11 (1996)
• [Publications] 伊藤惇 ほか: "流体工学における境界要素法に微分学その他を応用して圧力分布を求めた学生の着想" 日本数学教育学会高専部会研究論文誌. vol.3No.1. 39-48 (1996)
• [Publications] 伊藤惇ほか: "線形理論に基づく翼形設計計算システムの開発" 秋田高専研究紀要. 第31号. 13-21 (1996)
• [Publications] 渡辺宏ほか: 宮城高専研究紀要. 第33号. 71-78 (1997)
• [Publications] 佐藤次男: "C言語による電気・電子工学問題の解法" 森北出版, 189 (1995)
• [Publications] 小野尭之ほか: "総合科学実験" コロナ社, 164 (1995)