1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07558054
|
Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
柴田 明徳 東北大学, 工学部, 教授 (30005251)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 大樹 東北大学, 工学部, 助手 (00225715)
奥園 敏文 (株)構造計画研究所, 構造設計部, 部長
飯藤 将之 宮城工業高等専門学校, 講師 (40198940)
井上 範夫 東北大学, 工学部, 助教授 (50250725)
小川 淳二 東北大学, 工学部, 教授 (30005508)
|
Keywords | 鉄筋コンクリート造 / 解析プログラム / 立体骨組 / 地震応答解析 / 非線形有限要素法 |
Research Abstract |
本研究では,柱・梁・壁など各種RC構造部材の弾塑性特性に関する情報を立体フレームに取り込弾塑性地震応答解析を行える解析環境を構築した。この研究により開発された解析プログラムには,コア壁のような不整形断面を有する壁部材のモデル化や,東北大学におけるRC柱実験結果に基づく柱部材のモデル化の成果が組み込まれている。具体的には,壁や柱にはMulti Springモデルを採用し,軸力と2軸曲げの非線形相互作用が考慮されている。また材の中央に非線形せん断ばねを配置することで,2方向のせん断非線形特性が考慮できる特徴がある。また,壁部材に関しては,非線形有限要素法を用いたより詳細な解析モデルについても検討を行っている。 本解析環境を用いて,H型断面を有する耐震壁試験体の振動台実験の解析を行った。これは,せん断スリップ破壊をした耐震壁の挙動を解析的に再現する目的で行われた解析であるが,Multi-Springモデルを用いた簡易モデルでは実験結果とのよい対応を得た。また,この実験に関しては,非線形有限要素法を用いた詳細モデルによる解析も行っており,動的解析への非線形有限要素法の適用可能性を明らかにした。これ以外にも,本解析環境を用いて過去に震害を受けた実建物(SRC9階建て)を解析し,地震の際の被害や変形状況の推測を行った。 また,本解析環境を有効に利用するために,煩雑な建物データの入力を容易にかつ視覚的に行える前処理ソフトの開発を行った。これにより,データ入力はパソコン上で行い,解析はネットワークを介してスーパーコンピュータやワークステーション上で行うという環境が構築できた。 以上の研究成果により,地震時の建物の立体的な挙動を詳細に解析するための環境をある程度構築することができた。今後,この解析環境を用いて建物の地震時挙動を多角的な視点から捉えることで,設計手法に役立つ知見を得ることができるものと考える。
|
-
[Publications] 寺本尚史: "強震を経験した鉄骨鉄筋コンクリート造実在建物の非線形有限要素解析" コンクリート工学年次論文報告集. 18. 249-254 (1996)
-
[Publications] Norio INOUE: "Dynamic Nonlinear Analysis of 3-D RC Shear Wall by Finite Element Method" 第11回世界地震工学会議. N.179. (1996)
-
[Publications] 斉藤大樹: "直交壁を有する耐震壁の動的非線形解析(その1,その2)" 日本建築学会大会学術講演梗概集. 構造2. 563-566 (1996)