1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07558075
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
笠原 三紀夫 京都大学, 原子エネルギー研究所, 教授 (80027143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤村 満 グリーンブルー(株), 環境監視事業部, 部長
西川 雅高 国立環境研究所, 地域環境グループ, 主任研究員 (80228171)
溝口 次夫 仏教大学, 社会学部, 教授 (20157522)
吉田 紘二 京都大学, 工学部, 助手
山本 浩平 京都大学, 原子エネルギー研究所, 助手 (10263154)
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Keywords | 微量元素分析 / PIXE分析 / 混合標準試料 / 環境微量汚染物質 / 大気エアロゾル / 雨水 / PIXEスペクトル |
Research Abstract |
本年度は下記の4課題について検討した。 1.PIXE分析検量用標準試料の作製と検量:既知濃度の単一元素を含む原子吸光,IC標準液を用いて,PIXE分析検量用混合標準試料を作製した。本混合標準試料を基に求めたPIXE分析の感度曲線は,従来の蒸着薄膜単一元素試料より求めた感度曲線とよい一致を得た。混合標準試料の使用により、検量時間は約1/6となった。なお,標準試料のバッキング材としては,各種基礎実験,文献調査より,ポリカーボネイト薄膜を選定した。 2.大気エアロゾル捕集法,液体試料処理法の検討:PIXE分析における分析効率を加味した試料の許容最小厚み,及び試料中でのビームエネルギーの減衰やX線の吸収を加味した試料の許容最大厚みを理論的に求め,理想的な質量厚みを10〜100μm/cm^2と決定した。エアロゾル試料捕集法,液体試料のPIXE分析用試料作成法を種々検討し,前者には(粒径分級+均一試料作成法),後者には(吸引試料位置設定+ランプ加熱蒸発法)を採用することとした。また,各種環境・気象条件下で大気エアロゾル,雨水等を採取し分析を行っている。 3.PIXE分析の軽元素側への拡張:従来使用してきたPIXE分析システムでは下限元素は,原子番号Z=14(Si)であったが,本研究で購入したX線スペクトロメータを用い,かつビームを真空から大気に引き出すことにより,環境試料として重要なAlや(Na)の計測が可能となり,下限元素をZ=(11)〜12までと改良することができた。将来的にはγ線スペクトロメータを購入,核反応を利用したPIGE分析を導入する予定である。 4.PIXEスペクトル解析アルゴリズムの作成:各種バッキング材のスペクトル(バックグランド)を調べ,不純物ピークの定量的取り扱い,バックグランドスペクトルの決定法について検討を進めている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 笠原三紀夫: "液体標準試料を用いたPIXE分析検量用標準試料" 京都大学原子核工学科室放射実験室成果報告書. 130-132 (1995)
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[Publications] Helmuth Horvath: "The size distribution and composition of the atmospheric aerosol at a rural and nearby urban location" J. Aerosol Science. 27(印刷中). (1996)
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[Publications] Mikio Kasahara: "Characterization of atmospheric aerosols separated by particle size and water solubility using PIXE analysis" Nuclear Instruments & Methods. (印刷中). (1996)