1996 Fiscal Year Annual Research Report
高分子繊維と同種膠原線維束からなる高靱帯ハイヅリット型人工靱帯の開発と評価
Project/Area Number |
07558118
|
Section | 試験 |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
安田 和則 北海道大学, 医学部, 講師 (20166507)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 俊彦 (株)ユフ精器, 取締役営業部長
宮城 登 北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (90261297)
和田 龍彦 北海道大学, 医療技術短期大学部, 教授 (90002112)
松野 丈夫 旭川医科大学, 教授 (10165847)
|
Keywords | 人工靱帯 / 生体材料 / 自家腱移植 / 同種腱移植 / 生体工学 / ハイブリット材料 |
Research Abstract |
I)ハイブリット型人工靱帯を作成するための人工繊維と膠原線維束(腱)との結合方法の優劣に関する評価を行った。 1)ヒトの腱と類似の機械的特性を有する豚の凍結処理腱と5種類の高分子繊維材料を、5種類の結合方法を用いて直列結合しハイブリット型人工靱帯を作製した。それらの材料特性を万能試験機を用いて測定した。 2)最大荷重およびスチフネスに関して、平織りしたポリエステル製人工靱帯を我々の開発したα型結合方法で結合したハイブリット型人工靱帯が最も優れていた。 同じ平織りポリエステル製人工靱帯を使用する場合でも、U型やO型結合方法では最大荷重およびスチフネスのいずれも低下が見られた。 同じポリエステル製人工靱帯でも細い糸型の物は、特にスチフネスが著明に低下した。 II)上記のハイブリット型人工靱帯(α型結合)を用いた靱帯再建術と、現在臨床において使用されている靱帯再建術の構造的特性を比較するため、豚膝関節モデルにおいて実際に靱帯再建術を行い、静的引っ張り試験、および疲労試験を行ってその優劣を比較した。 1)最大荷重に関して、ハイブリット型人工靱帯の両端を2重ステーブル法で固定した膝がもっとも優れていた。 2)スチフネスに関しては、両端に骨片を付けた膝蓋建をスクリューで固定した膝が最大であったが、ハイブリット型人工靱帯の両端を2重ステープル法で固定した膝はこれに次いだ。 3)この両者の疲労特性は同等であった。5000回の荷重後の最大破断荷重に低下はなかった。 4)ハイブリット型人工靱帯の一端をチタン製の埋め込み用ボタンで固定する方法は、両端をdouble stapling法で固定する方法と比べて、平均値はやや小さいが有意差はなく、ハイブリット型人工靱帯の低侵襲再建術への応用の道が開かれた。
|
-
[Publications] Yasuda K, et al.: "Effects of initial graff tension on clinical outcome after anterior cruciate ligament reconstruction." Am. J. Sports Med. 25. 99-106 (1997)
-
[Publications] Kimura S., et al.: "Bioabsorbable synthetic fibers more rapidly deteriorate in the bone tunnel than in the subcutanecus tissue and the intraaticular space." Trans Orthop Res Soc. 22. 865- (1997)
-
[Publications] Tohyama H., et al: "Chronic inhibition of extrinsic cell infiltration decelerate deterioration in the mechanical properties of the patellar tendon following intrinsic fibroblast necrosis" Trans Orthop Res Soc. 22. 394- (1997)
-
[Publications] 原 則行,他,: "成熟家兎における半腱様筋腱と膝蓋腱の力学特性の差異" 日本臨床バイオメカニズム学会誌. 17. 433-436 (1996)
-
[Publications] 宮田康史他: "ブタ膝蓋腱および深指屈筋腱の力学的特性とこれを用いた前十字靱帯再腱モデルの検討" 日本臨床バイオメカニクス学会誌. 17. 427-431 (1996)
-
[Publications] 葛城良成,他: "過負荷が凍結した犬の前十字靱帯の力学的特性に与える影響" 日本臨床バイオメカニクス学会誌. 17. 421-425 (1996)
-
[Publications] 辻野 淳,他: "脛骨付着部を遠位へ移動させた犬前十字靱帯の張力のin vivoにおける経時的変化" 日本臨床バイオメカニクス学会誌. 17. 415-419 (1996)
-
[Publications] 黒部恭啓,他: "鵞足の解剖と膝靱帯再建述への臨床応用" 臨床整形外科. 31. 1219-1223 (1996)