1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07558119
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮浦 憲夫 北海道大学, 工学部, 教授 (10002049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石山 竜生 北海道大学, 工学部, 助教授 (00232348)
覚知 豊次 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (80113538)
村林 俊 北海道大学, 工学部, 助教授 (30200306)
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Keywords | アリールボロン酸 / 糖化LDL / 糖尿病 / 血管障害 / 糖吸着剤 / 機能性高分子 / 医療用高分子 / 糖化アルブミン |
Research Abstract |
日本における糖尿病患者数は入院・通院者が約16万人、潜在的患者はそれより一桁多いとされている.糖尿病がとくに問題となるのはそれによる二次的血管障害であり、血中の還元糖がタンパク質と反応してできる糖化タンパク質や糖化LDLが原因すると考えられている.本研究では糖化タンパク質と特異的な結合機能を有し、生体適合性にも優れた新素材を創製することを目的とし、有機化合物中へのボロン酸基の導入法の開発、選択的共重合法の開発および得られたポリマーの吸着能の評価を行った. 4-ビニルフェニルボロン酸(VPB)とアクリル酸(AA)からなる組成が異なる共重合体を合成し、糖化LDL単独または糖化LDLにヒト血漿を加えた試料を用いて吸着実験を行った.コレステロール、トリグリセリド、HDLの吸着はほとんど見られず、吸着したフルクトサミンは大部分糖化LDLと考えられる.吸着コレステロールとフルクトサミンの量比から糖化LDAに対する選択性を評価したところ、VPB含有率の増加に従い選択性が増加すること、またヒト血漿存在下では糖化LDL吸着量は減少するが選択性はAAの含有量に従い増加し、約50:50共重合体で最大になることを見いだした. これらの結果より、ヒト血漿中など阻害物質存在下における糖化アルブミンの選択的吸着にはボロン酸基のみの存在では不十分であり、ボロン酸基とカルボキシル基の二点における吸着が重要であると結論された.また、この共重合体は充分な選択性を有することから、血漿中から糖下LDLの選択的除去が可能であることが明らかにできた.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] N. Miyaura: "Palladium-Catalyzed Cross-Coupling Reactions of Organoboron Compounds," Chem. Res.,. 95. 2457-2483 (1995)
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[Publications] 村林俊、: "血中糖化LDLの除去を目的とした吸着材の開発" 人工臓器. 125(発表予定). (1996)
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[Publications] 覚知豊次: "Regio-and stereospecificity in cationic cyclopolymerization of 1,2'5,6-dianhydro-3,4-di-O-methyl-D-mannitol and L-iditol" Macromolecules,. 28. 5643-5648 (1995)
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[Publications] T. Ishiyama,: "Palladium-Catalyzed Cross-Coupling Reaction of (Alkoxy)diboron with Haloarenes: A direct Procedure for Arylboronic Esters," J. Org. Chem.,. 60. 7508-7510 (1995)