Research Abstract |
1.システムの概念設計 本システムの骨子的流れのなかに,身障者への歩行指導を組み入れ,自力による歩行改善を促しながら,適用することとした. 2.歩行の状況把握 固定装具により右足関節固定した被験者および小児麻痺により両足関節固定した障害者の方に,床反力,靴底圧力分布の測定を行った.その結果,特に踵接地時がすべり易いことと,すべり方向が立脚期間通して一定していないことが判った.その他いくつか新たな知見が得られた. また,靴底圧力分布からは,健足あるいは利き足では,踵接地から爪先離れまで,滑らかに接地部が移動するのに対して,患足では段階的に変化,あるいは「踵立ち歩行」のように踵部分のみで力を受けている状況から明らかになった. 3.すべり止め設置方法検討 市販品の防滑方式を分類するとスパイクによる方式,ゴムのトレッドパタン方式,ゴムにガラス繊維等を混入した方式に大別される.障害者の意見を聞き,研究者間で協議した結果,今回はガラス繊維を混入したすべり止めを月星化成(株)から提供を受けて利用した.具体的には,圧力の高い部分に,凍結路面に有効なガラス繊維を混入したすべり止めを用いて,圧力の低い靴底外周部には,積雪路面に有効な,ピラミッド状突起を配列した生ゴム系のすべり止めを用いた.加えて,障害者用の試供靴には,その他踵設置時のすべりを防ぐために必要最低限度のスパイクを用いた. 4.すべり止め設置後の各種試験 官能検査の結果は,装具装着歩行では良好であったが,障害者歩行では,多種多様な状況となる実際の生活道路を歩いたこともあり明確な効果を判定できてはいない.装具装着歩行に対する加速度測定の結果,本補助金によって購入したデータロガーを用いることにより装置の軽量化を図ることができた.また,足部のデータからすべりの判定が可能となったが,すべりの難易を判定することはできてない.
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