1996 Fiscal Year Annual Research Report
最適形状化された回転反射羽根による中性子減速装置の開発
Project/Area Number |
07558283
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
川端 祐司 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (00224840)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮地 孝 東京大学, 原子核研究所, 助手 (20013401)
宇津呂 雄彦 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (50027421)
米田 憲司 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (10027443)
田崎 誠司 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (40197348)
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Keywords | 超冷中性子 / 中性子タービン / スーパーミラー / コリオリカ / 冷中性子 / 研究用原子炉 / 極冷中性子 / 冷中性子設備 |
Research Abstract |
京大炉では超冷中性子研究のため、極冷・超冷中性子設備の開発を進めてきた。これは、KURの黒鉛設備に設置された冷中性子源設備(CNS)、極冷中性子設備及びスーパーミラー中性子タービンからなっている。これらの特性測定を進めてきた結果、中性子タービンに供給されるVCNのスペクトルが、理想的なマックスウェル分布から大きく歪んでいることが明らかになった。このため、比較的速いVCNを減速するために中性子タービンの反射羽根の速度を上げなければならない。このことが減速中の中性子に及ぼす遠心力とコリオリカの影響を大きくし、軌道をゆがめることによって減速効率を下げる原因となっている。この問題を解決するため、反射羽根の回転が中性子減速に及ぼす効果、特にコリオリカが中性子軌道を歪める効果について調べ、効率的な減速を行うことができる反射羽根の形状を決定することが求められている。反射羽根の形状が中性子減速効率に影響することは、既に中性子タービンの反射羽根を3枚鏡式から5枚鏡式に変更することで実証してきた。本研究では、高速化した中性子タービンのための最適反射羽根形状を決定し、その中性子減速特性を明らかにするとともに減速効率を決定することを目的としている。多くのモンテカルロ計算を行うことにより、タービンローター径の中性子減速に対する効果が大きいこと、反射羽根の2次元変形では本質的な改良は難しいことが明らかになった。またタービンローターを現状の5倍にすることは、実験装置が大きくなりすぎるために現実的ではないため、反射羽根サイズを現状の1/3にミニチュア化してローターと反射羽根のサイズ比を変えることで、最も問題になるコリオリカの影響を小さくした。本年度は、この設計を行うと共に、その設計に従った反射羽根の製作を行うことができた。
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[Publications] Y.Kawabata et al.: "Upgraded Ultracold Neutron Facility with a Supermiror Turbine Coupled to a Very Cold Newtron Source" Physica. B213&214. 869-871 (1995)
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[Publications] Y.Kawabata et al.: "Design of High Efficiency Supermirror Neutron Turbine" Proc.of International Symposium on Advance in Neutron Optics and Related Research Facilities. 264-267 (1997)
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[Publications] Y.Kawabata et al.: "UCN-VCN Facility and Expreiments in Kyoto University Reactor" The 5th International Symposium on Advanced Nuclear Energy Research. 729-737 (1993)
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[Publications] 川端祐司 他: "スーパーミラー中性子タービン方式超冷中性子源" 波絞(中性子研交連絡会機関誌). Vol.5,No.3. 6-9 (1995)
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[Publications] 宇津呂雄彦: "超冷中性子の発生とマクロ構造の解析などへの応用" 応用物理. 64. 925- (1995)
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[Publications] 宇津呂雄彦 他: "極低エネルギー中性子技術/新しい可能性" 日本原子力学会誌. 35. 493- (1993)