1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07610379
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
木村 英亮 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (70012391)
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Keywords | 中央アジア / カザフマタン / ウズベキマタン / アイデンティティ / 多民族性 / 連邦制 / 共産党 / CIS |
Research Abstract |
本年は広く文献・資料を集めたばかりでなく、とくに中央アジアのガザフスタン、ウズベキスタンを中心に多くの新刊の雑誌・資料を集め、複写することができた。また、旅費を活用して大学や研究所などで、国内やCISの研究者との討論や情報交換をおこなうチャンスもうることができた。 その成果の一部はすでに論文としたが、「カザフスタン独立国家形成の前提について」は、多民族性のとくにいちじるしいカザフスタンについて、そのアイデンティティの形成過程を、地理、民族構成、国家、経済、政党、宗教など歴史的、総合的に考察し、今後の展望をうるための基礎としようとしたものである。ここでは、ロシアとの関係を強調した。この国は革命前遊牧地帯であったが、若干条件が異なり灌漑農業がおこなわれている綿作地帯のウズベキスタンについて、別の論文を執筆中である。 「ソ連の成立とその影響」は、1922年末のソ連の形成に重要な役割を果たしたザカフカジエのアゼンバイジャンの革命以後の動きを分析し、共産党の建設、ソ連の結成、計画経済の形成の三者が密接に結びついていることを示し、1991年の事態の理解を逆の面から深めようとした。 2つの単著は、CIS諸民族の動きを、世界史とソ連史のなかで歴史的に位置付けることによって、今後の研究の方向を確かめておこうとしたものである。
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[Publications] 木村英亮: "ソ連の成立とその影響アゼンバイジャンにおける民族自決" 歴史学研究会編.講座世界史・必死の代案. 6. 45-74 (1995)
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[Publications] 木村英亮: "カザフスタン独立国家形成の前提について" 清水学他編・中央アジアの市場経済化,アジア経済出版会. 4-34 (1996)
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[Publications] 木村英亮: "スターリンの民族政策.チェチェン問題を考えるために" 婦人通信. 433号. 22-25 (1995)
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[Publications] 木村英亮: "中央アジア5カ国の歴史と現状について15回連載" 日本とユーラシア. (1995)
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[Publications] 木村英亮: "二〇世紀の世界史" 山川出版社, 344 (1995)
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[Publications] 木村英亮: "ソ連の歴史,増補版,ロシア革命からポスト・ソ連まで" 山川出版社, 283 (1996)