1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07610412
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Research Institution | NARA NATIONAL CULTURAL PROPERTIES RESEARCH INSTITUTE |
Principal Investigator |
毛利光 俊彦 奈良国立文化財研究所, 飛鳥藤原宮跡発掘調査部, 史料調査室長 (00099962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 隆 奈良国立文化財研究所, 飛鳥藤原宮跡発掘調査部, 主任研究官 (00192774)
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Keywords | 冠 / 帯金具 / 冠位制 / 古墳 / 身分制 / 官人組織 / 聖樹思想 / 鳥崇拝 |
Research Abstract |
1.冠の考古資料の集成については、前年度から継続していた日本・朝鮮はほぼ完了。中国東北部・蒙古・西域の資料も多く収集した。また、香川・観音寺市の鑵子塚出土冠の材質分析などを終了した。 2.文献史料から日本・中国・韓国の冠位制度を整理し、一覧表にまとめた。 3.朝鮮半島では、新たに伽耶の冠位制度を明らかにした(1997年3月、論文発表済)。百済の冠位制度については、投稿中であるが、高句麗や中国の冠位制度については、準備中。 4.日本の古冠は、5・6世紀に百済・伽耶からの強い影響を受けて成立したことをすでに1995年に論述している。そして、『日本書記』の記述から、推古11年(603)の冠位12階は、なお古制を残し、大化3年(647)の13階の制定に至って唐風に改まったことを推論した。ただし、7世紀の服飾資料はきわめて少なく、考古学的実証はまだできていない。百済・新羅(旧伽耶の領域を含む)においては、7世紀前半には唐風の帯金具(丸鞆・巡方)が用いられた可能性が高く、日本においてもこの種の帯金具を再吟味することによって唐風化の時期をより明らかにできると予測している。
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